事業モデル
同社はモビリティ業界に特化し、IoT技術とWebシステム開発を組み合わせたトータルソリューションを提供しています。単なる受託開発にとどまらず、プラットフォーム化したパッケージサービスを展開することで、顧客のニーズに応じた迅速なDX推進を実現しています。
収益構造は、システム構築時の開発売上(ショット)に加え、保守やライセンス利用料などのストック売上が主要な柱となっています。特に、複数のシステムから情報を統合する総合情報配信サービスなど、特定の業界知見を反映した技術が強みです。
KPI
当事業年度の売上高は805,211千円を記録しており、その内訳としてストック売上は堅調に推移しています。一方で、中長期的な成長に向けた人材配置や開発費の増加により、営業損失が283,087千円、当期純損失が415,606千円となりました。
資産面では、流動資産が前事業年度末に比べ約7,600万円減少する一方で、短期借入金が増加し負債合計は増加傾向にあります。また、のれんやソフトウェアの減損等により無形固定資産が大きく減少しており、純資産は3,183千円となっています。
成長ドライバー
「中期ビジョン2030」に基づき、地方部におけるモビリティ社会の実現に向けたソリューションを全国へ展開する方針です。具体的には、公共ライドシェアの導入支援や、物流分野でのデジタル式運行記録計の開発など、多角的なアプローチを進めています。
特に、2025年4月以降の法改正を見据えた物流現場のDX需要や、地域交通の再構築に向けた自治体との連携強化が成長の鍵となります。また、大手企業や他社との共創を通じて、新たなモリューションを社会に実装する体制の整備にも注力しています。
リスク
事業面では、BtoBビジネスであるため景気動向による顧客の投資予算削減や、特定業界への特化に伴う人流抑制の影響を受けるリスクがあります。また、システム基盤がインターネット通信網に依存しているため、大規模なシステムトラブルが発生した際の対応も重要課題です。
さらに、高度な技術を要する開発における外注先の確保やコスト高騰、および個人情報の漏洩による信頼失墜のリスクも認識されています。これらのリスクに対し、同社はストック売上の積み上げや内製化の推進、強固なセキュリティ体制の構築等で対応を図っています。
競合
同社はモビリティ業界特有の業務フローや法的ルールに対する深い知見を武器に、他社との差別化を図っています。IoT技術とWeb技術の両面を保有しており、単なるシステム提供ではない実用的なオペレーションまで考慮した提案が強みです。
一方で、資金力やブランド力を有する大手競合企業の参入により、価格競争が激化する可能性も指摘されています。同社は独自のポジション確立に向け、顧客との直接的な関係構築を通じた「開発実績」と「業界知見」の蓄積を継続することで競争優位性の維持を目指しています。
バリュエーション
2026年7月31日時点の株価は596円であり、同日の時価総額は約12.8億円となっています。この時点でのPBRは-17.20倍と算出されています。
投資判断に際しては、将来に向けた積極的な研究開発や事業基盤構築への投資が経営成績に与える影響を注視する必要があります。同社は独自の技術と知見を融合させ、モビリティ分野におけるDXの核心的な役割を担うことを目指しています。
