事業モデル
同社は建築、土木、不動産の3つの主要事業を展開する建設グループです。建築事業ではリフォームやメンテナンスを含む多角的な工事を行い、土木事業では港湾・海洋や地盤改良などの高度な技術を要する工事に従事しています。不動産事業においては、戸建住宅の企画販売から開発、仲介まで幅広いバリューチェーンをカバーしています。
近年は「ソリューション提供型企業」への転換を目指し、単なる請負にとどまらない価値提供を目指しています。また、研究開発を通じて木造建築や免震構造などの高度な技術革新にも取り組んでいます。
KPI
当連結会計年度の受注高は436,098百万円に達し、前年比11.4%増と過去最高を更新しました。売上高も357,675百万円(前年比3.2%増)となり、こちらも過去最高を記録しています。営業利益は17,897百万円(前年比56.2%増)、経常利益は17,512百万円(前年比64.9%増)と大幅な増益を達成しました。
親会社株主に帰属する当期純利益は11,426百万円となり、前年同期比で77.1%の成長を見せています。これらの数値は、同社が掲げる中期経営計画の初年度として非常に良好な推移を示しています。
成長ドライバー
成長戦略として、建設請負の枠を超えた「都市コミュニティー創生・再生」や「デジタルインフラ整備」といった新領域への展開を推進しています。特に不動産開発事業においては、新たに「髙松都市開発」を設立し、川上から川下までを網羅するポートフォリオの最適化を図っています。また、ストックビジネスの実現に向けた投資を行い、安定的な収益基盤の構築を目指しています。
技術面では、免震構造の実用化や木造建築の高度化など、独自の強みを活かした高付加価値な工事への注力も成長を支える要因です。さらに、人財・研究開発・情報システムへの投資加速により、生産性の抜本的な向上を目指しています。
リスク
建設資材やエネルギー価格の高騰、および円安の影響によるコスト上昇が収益環境に対する主要なリスクとして挙げられています。また、深刻な建設技術者や技能労働者の不足は、施工の遅延や利益率の低下を招く要因となります。気候変動に伴う自然災害の激甚化や、脱炭素経済への移行に伴う規制強化も事業継続における不確実性として認識されています。
さらに、サイバー攻撃による情報漏洩や、労働環境の不備による人材流出といった運営上のリスクにも対応が必要です。これらのリスクに対し、同社は契約条項の見直しや、高度なセキュリティ対策、BCP(事業継続計画)の策定等で対応しています。
競合
建設業界においては、公共投資の動向や民間企業の設備投資意欲が受注環境を左右する構造となっています。同社は、単なる請負にとどまらない「ソリューション提供型」への転換を図ることで、競合他社との差別化を図っています。特に、リフォームやメンテナンスといったストックビジネスへの注力は、建設需要の変動に対する耐性を高める戦略です。
また、独自の研究開発体制を構築し、免震構造や木造建築などの高度な技術力を武器に、高品質な施工能力で優位性を確保しようとしています。事業ポートフォリオの最適化により、より高い収益性を追求する姿勢が特徴的です。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は3,485円となっており、時価総額は約1213.4億円と評価されています。PER(株価収益率)は10.62倍であり、建設業種の中でも安定した収益性を反映する水準にあります。PBR(株価純資産倍率)は0.83倍となっており、保有する不動産や投資有価証券などの資産価値に対して割安な水準で推移しています。
配当利回りは4.13%と高く、株主に対する還元姿勢が強固であることを示唆しています。これらの指標は、同社が堅実な経営基盤を持ちつつ、成長に向けた投資を継続している現状を反映しています。