事業モデル
同社は建設事業、エンジニアリング事業、開発事業の3つの柱で構成される企業集団を展開しています。建設事業では民間向けの建築工事や公共建築工事に加え、BIMや3Dレーザースキャナーを活用した建設DXを推進しています。エンジニアリング事業では水力発電設備や水処理機器の開発・製造からメンテナンスまでを一貫して提供する体制を構築しています。
開発事業等においては不動産の売買や賃貸、リノベーション、再生エネルギー事業を展開しており、多角的な事業ポートフォリオを有します。独自の「ブレインマンション」などのブランド展開や、土木コンサルティングなど高度な技術力を背景とした提案型営業が特徴です。
KPI
当連結会計年度における受注高は375億31百万円となり、前年同期比で21.6%の減少を記録しました。売上高は356億13百万円と、前年同期比で5.1%の減収となりました。営業利益は38億91百万円であり、前年同期比では4億36百万円の減益となっています。
経常利益は39億68百万円となり、前年同期比で1億82百万円の減益を計上しました。親会社株主に帰属する当期純利益は30億2百万円と、前年同期比でわずかながら26百万円の増益となりました。
成長ドライバー
成長戦略として「Vision2030」を掲げ、DX推進によるブランド強化や新規顧客の開拓に注力しています。建設事業では、特定の地域におけるシェア拡大や、独自の技術を用いた提案型営業により受注獲得を目指しています。エンジニアリング事業においては、小水力発電などの再生エネルギー分野での技術蓄積と新機材開発を推進しています。
研究開発活動として、ブレインマンションのコスト低減に向けた構造躯体の合理化や、土木用断熱型枠の開発など独自の強みを強化しています。また、資本効率の最適化を図りつつ、成長事業への積極的な投資を通じて企業価値の向上を目指す方針です。
リスク
建設業界特有の課題として、資材価格の高騰や人手不足による工期遅延、受注競争の激化といった厳しい経営環境に直面しています。また、施工品質の不備や現場での事故・環境汚染が発生した場合には、損害賠償や社会的信用の失墜を招くリスクがあります。不動産市場の動向や経済指標の変化により、保有資産の価値が変動し評価損が生じる可能性も含まれています。
さらに、建設業界における深刻な担い手不足に対し、ICT施工の導入や労働環境の改善による対応が求められています。気候変動に伴う物理的リスクやサイバー攻撃による情報漏洩など、多角的なリスクへの対策を講じています。
競合
同社は建設事業において、民間向けの工場・物流施設や医療施設などの高度な技術を要する案件に強みを持っています。特に長野県内における食品関連の工場建築では、2年連続で施工実績ナンバー1を獲得しており、高い競争力を有しています。エンジニアリング分野では、水力発電や水処理といった専門性の高い領域で独自の技術ノウハウを蓄積しています。
土木コンサルティング事業においても、国土交通省への登録に基づいた高度な提案型営業を展開しています。これらの強みは、単なる施工にとどまらない設計・製造・メンテナンスまでの一貫した提供体制によって支えられています。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は1,396円となっており、時価総額は約268.4億円です。PERは8.35倍と算出されており、投資家に対する収益性の評価が示されています。PBRは1.92倍であり、企業の純資産に対する市場の評価を反映しています。
配当利回りは2.72%となっており、安定した株主還元が行われていることが伺えます。同社は中期経営計画において、資本コストを上回るROEの維持と、成長戦略を通じたPERの改善を目指す方針を掲げています。