事業モデル
同社は土木工事および建築工事を主軸とした建設事業を展開しており、これらに付帯する不動産事業や資材販売、警備業務などの兼業事業も展開しています。土木工事においては、複数の協力会社から専門工事の施工を受託し、海外拠点を活用した海外工事も遂行しています。建築工事では設計業務を外部と連携しながら進め、物流倉庫等の案件において資材の海外調達による原価低減を図るなど、生産性の向上に努めています。
不動産事業においては、売買や賃貸、土地開発関連事業を展開し、多角的な収益基盤を構築しています。また、ICT技術の活用や建設DXの推進、独自の施工技術の開発を通じて、工事の効率化と品質向上を図る技術戦略を推進しています。
KPI
同社は中期経営計画2028において、資本コストと株価を意識した経営への転換を掲げています。具体的な財務目標として、2026年度にはROE 7%以上、連結営業利益50億円以上を目指しており、最終的な2028年度にはROE 8%以上、連結営業利益80億円以上を目指しています。非財務指標としては、CO2排出量の削減や工事に起因する重大災害のゼロ継続、従業員エンゲージメントスコアの向上を掲げています。
これらの目標達成に向け、生産性と利益創出力の回復、成長領域への投資、人的資本の充実を推進しています。また、配当性向については2026年度および2028年度ともに50%程度を目標として設定しています。
成長ドライバー
同社は「中期経営計画2028」に基づき、生産性と利益創出力の回復に向けた戦略的な取り組みを推進しています。土木工事においては、羽田アクセス線や新宿駅東西デッキなど、将来を見据えた重要案件を受注し成果を上げています。建築工事では意図的に大型工事を受注する方針をとり、物流倉庫における資材の海外調達を通じて原価低減と利益確保を図っています。
また、自社専用の生成AI活用や新基幹システムの導入といったDX推進により、業務の効率化と生産性の向上を実現しています。さらに、ICT技術を活用したマシンガイダンス技術の開発など、独自の技術力を高めることで他社との差別化を図り、持続的な成長を目指しています。
リスク
建設事業の特性上、工事における事故や労働災害が発生した場合、損害賠償や指名停止による受注機会の減少が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、地震や台風などの自然災害による事業活動の中断や、資材・労務費の高騰を請負金額に反映できない場合の原価上昇リスクが存在します。公共投資の動向は同社の売上高に大きな影響を与えるため、政府の予算削減が予想を上回る場合には業績が悪化する可能性があります。
さらに、金利の上昇や為替相場の変動、海外事業における地政学的リスクも重要な懸念事項として挙げられています。加えて、建設業界特有の課題として、深刻な人手不足や高齢化に伴う労働力の確保が継続的な経営課題となっています。
競合
同社は土木工事および建築工事を主軸とする建設事業において、高度な技術力を武器に市場での地位を確立しています。特に土木分野では、鉄道工事を見据えた独自の施工技術開発やICTを活用したDX推進により、他社との差別化を図る戦略をとっています。建築分野においても、大型案件の受注と資材調達の最適化を通じて、競争の激しい建設コスト上昇局面における利益創出力を強化しています。
また、不動産事業や付帯事業を組み合わせることで、単一の工事に依存しない多角的な事業構造を構築しています。これらの取り組みにより、人手不足や資材高騰といった業界共通の課題に対し、技術力と効率化による競争優位性の確保を目指しています。
バリュエーション
同社の株価は4,550円(2026年6月19日時点)となっており、時価総額は約633.9億円です。PERは18.73倍と算出されており、建設業種における将来の成長期待が反映されています。PBRは0.81倍であり、保有資産や事業基盤に対して割安な水準で評価されている可能性があります。
配当利回りは4.90%と高く、安定した還元姿勢が投資家にとっての魅力となっています。これらの指標は、同社が掲げる「資本効率を意識した経営への転換」という方針と整合する内容となっています。