事業モデル
大豊建設は、土木事業および建築事業を主軸とする建設企業です。土木事業ではシールド工法やニューマチックケーソン工法といった高度な技術を有しており、特に雨水貯留施設などの公共インフラ整備に強みを持っています。建築事業においては、住宅から商業施設まで幅広い領域に対応する体制を整えています。
また、不動産事業や塗装工事、建設資材のリースなど多角的な事業を展開しています。グループ全体で高度な施工技術と多様な子会社のネットワークを活用し、公共・民間の双方から受注を獲得する構造です。
KPI
当連結会計年度における売上高は143,394百万円を記録しました。土木事業の売上高は70,794百万円、建築事業は67,900百万円となっており、両部門がバランスよく寄与しています。利益面では、連結で経常利益5,204百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,691百万円を計上しました。
土木事業の営業利益は3,647百万円、建築事業は1,227百万円となっており、前年度と比較して大幅な改善が見られます。受注高については、土木と建築を合わせて106,034百万円(当社分)を獲得しており、堅調な受注基盤を維持しています。
成長ドライバー
同社は「中期経営計画(2023-27年度)」に基づき、人的資本経営の強化と事業構造の変革を推進しています。特に土木事業においては、シールド工法やニューマチックケーソン工事における国内シェア50%以上を目指す方針です。また、DXの推進による施工の無人化・遠隔化や、カーボンニュートラルに向けた環境負荷低減技術の開発に注力しています。
さらに、気候変動に伴うゲリラ豪雨対策としての雨水処理施設など、社会課題解決に直結する事業への注力が成長を牽引します。2027年度には売上高1,600億円、営業利益67億円の達成を目指しており、技術革新と市場ニーズの合致を見込んでいます。
リスク
建設業界特有の課題として、資材価格の高騰や人件費の上昇によるコスト増大が収益を圧迫するリスクがあります。また、公共工事における他社との競合激化に伴う低入札の継続も、利益率に影響を与える要因となります。深刻な労働者不足への対応として、働き方改革や教育・育成を通じた人材確保が重要な経営課題となっています。
さらに、海外事業における為替変動やカントリーリスク、施工時の第三者事故による指名停止などの法的リスクにも留意が必要です。その他、自然災害の発生や訴訟、資産の減損など、外部環境の変化に対する多角的なリスク管理体制を構築しています。
競合
同社は土木事業においてシールド工法やニューマチックケーソン工法といった独自の高度な技術を有しており、特定のニッチな領域で強固な地位を築いています。特に雨水貯留施設などの公共インフラ分野では、長年の経験に基づく施工能力が競争優位の源泉となっています。建築事業においても、住宅から商業まで幅広い案件に対応できる体制を構築しています。
競合他社との差別化要因として、DX推進による生産性向上や独自の無人・遠隔操作技術の開発が進められています。公共工事と民間工事の両面で受注を獲得する構造であり、高度な専門技術が参入障壁として機能しているとみられます。
バリュエーション
最新の市場データに基づくと、同社の株価は740円となっており、時価総額は約623.7億円です。PERは14.35倍と算出され、建設業種内での評価を反映しています。PBRは0.87倍であり、資産価値に対して割安な水準で推移していることが示唆されます。
配当利回りは5.14%と高く、安定した還元姿勢が投資家にとっての魅力となっています。これらの指標から、同社は堅実な事業基盤を持ちつつ、市場において一定の評価を得ていると分析されます。