事業モデル

当社グループは、宇宙空間における軌道上サービスを通じて人工衛星運用者やロケット事業者の価値向上に貢献しています。コア技術であるRPO(ランデブ・近傍運用)技術を自社開発し、知的財産権を保有することで、継続的な技術改善と競争優位性の確保を図っています。

提供するサービスは、デブリの除去、軌道変更、燃料補給、観測・点検など多岐にわたります。2030年までにこれらのサービスを日常的なものにするための実証ミッションを実施し、2035年に向けて部品交換や修理といった高度な領域へも拡大する計画です。

KPI

経営の客観的な指標として、軌道上サービスミッションの受注状況および、各ミッションの開発スケジュールの進捗管理を重視しています。特に将来の収益と事業成長を支えるパイプラインの確保を測るため、受注残総額を重要な経営指標として位置づけています。

開発面では、システムズエンジニアリングのⅤ字モデルにおける各審査を確実にクリアすることを重視しています。これにより品質管理とプロジェクト収益の実現を直結させ、技術革新の加速と市場シェアの拡大を目指す体制を構築しています。

成長ドライバー

世界的な宇宙関連支出の増加や、各国政府による軌道上サービスへの投資加速が追い風となっています。特に日本国内では、2024年7月より開始された宇宙戦略基金において、軌道上サービス分野へ多額の予算が割り当てられる方針が示されています。

また、海外でも欧州や米国など複数の国で政府機関や民間企業との契約を相次いで締結しており、受注実績は世界でリードする状況にあります。2025年4月期には、JAXAやESA、さらには米宇宙軍等と多様な提携・契約を結んでおり、グローバルな市場拡大に向けた基盤を構築しています。

リスク

軌道上サービスはまだ市場の草創期にあり、技術開発や実証が完了していないため、事業の不確実性が高い点が挙げられます。特にRPO技術の一部については依然として地上での試験にとどまっており、実証期間の長期化や失敗による影響のリスクが存在します。

また、人工衛星は極めて精密な機器であるため、製造過程での部品欠陥やサプライヤーの遅延がスケジュールに重大な影響を及剣します。万が一の事故や故障が発生した場合には、原因究明や再開に多大な時間を要し、顧客からの信頼低下や損害賠償請求につながる可能性も含まれます。

競合

当社は非協力物体に対するRPO技術において、独自の知見と知的財産権を保有する強みを持っています。2026年6月時点において、同社以外に非協力物体へのRPO技術の宇宙実証に成功した競合事業者の存在は認識されていません。

競争優位性は、日本、英国、米国、フランスといった主要な宇宙産業拠点における強固なネットワークにも支えられています。各地域で専門的な知見を持つ経営陣を配置し、政府機関や民間企業との広範な関係を構築することで、グローバルな市場での先行優位性を確保しています。

バリュエーション

2026年7月31日時点の株価は1,012円となっており、同日の時価総額は約1434.8億円です。この評価に基づいたPBRは17.03倍と算出されています。

投資判断にあたっては、これらの数値に加え、技術開発の進捗や契約獲得の状況を考慮する必要があります。市場創造型の事業特性上、将来の成長に向けた研究開発への投資が継続的に行われる構造となっています。