事業モデル
同社は、設備工事業、リース事業、太陽光発電事業の3つを主要な報告セグメントとして展開する総合設備企業です。設備工事業では、配電や送電といったインフラ工事から、空調・管工事、情報通信工事まで多岐にわたる施工を手掛けています。リース事業においては、工事用機械や車両などの備品提供を行い、安定的な収益基盤を構築しています。
太陽光発電事業では、自社および子会社が保有する設備による電気の販売を行っており、管理・運営体制も整えています。その他にも、CADソフトウェアの開発・販売や指定管理業務など、多角的な事業展開を通じて企業価値の向上を図っています。
KPI
当連結会計年度において、同社は売上高99,448百万円を計上し、前年度比で6.1%の減収となりました。一方で、工事進捗や原価管理の徹底により、売上高総利益率は前年度の17.4%から18.7%へと大幅に改善しています。営業利益は8,820百万円となり、前期目標を上回る水準で推移しており、収益性の向上が確認されます。
親会社株主に帰属する当期純利益は、有価証券の売却による特別利益の計上もあり、大幅な増益を達成しました。連結ROEは11.0%に達し、中期経営指針2025で掲げていた目標である8.0%を上回る高い資本効率を実現しています。
成長ドライバー
今後の成長に向けた「中期経営指行2030」では、2030年度の売上高1,200億円、営業利益110億円、ROE 10.0%という野心的な目標を掲げています。特に、首都圏や関西圏における建築設備工事の需要は旺盛であり、同エリアでの施工基盤の拡充が成長の鍵となります。また、送配電設備の高経年化に伴う更新工事の増加を見込み、安定的な収益確保に向けた体制強化を進めています。
DXやAIの活用による生産性向上、および脱炭素社会への貢献に向けた設備工事の推進も重要な戦略要素です。人的資本への投資を軸に、施工力の確保と高度な技術開発を通じて持続的な企業価値の向上を目指しています。
リスク
主要取引先である四国電力9507グループの設備投資動向や、一般建設投資の縮小による受注競争の激化が業績に影響を与える可能性があります。また、世界的な素材価格の高騰や人手不足に伴う資機材・労務費の上昇は、工事の採算性を悪化させる要因となります。取引先の経営状況の悪化による債権回収の困難さなど、与信管理に関するリスクも常に注視が必要です。
さらに、金利や株価の変動による投資有価証券の評価損、および大規模災害やパンデミックによる事業活動への影響にも備えています。これらのリスクに対し、同社は原価の先行手配や情報セキュリティの強化など、多角的な対策を講じています。
競合
同社は、送配電設備工事と建築設備工事の両輪を支える総合設備企業としての地位を確立しています。送配電分野では、四国電力グループとの強固な関係を基盤としつつ、高経年化設備の更新需要を取り込む体制を整えています。建築設備分野においては、首都圏や関西圏といった都市部での旺盛な需要に対し、施工力の強化と原価管理の徹底で競争優位性を追求しています。
また、CADソフトウェアの開発や独自の技術開発を通じた付加価値の創出も、競合他社との差別化要因となっています。多様な工事内容に対応できる広域的な事業展開により、安定した受注基盤を構築しているとみられます。
バリュエーション
最新の市場データに基づくと、同社の株価は1,984円となっており、時価総額は約939.1億円です。PERは12.52倍、PBRは1.32倍と算出されており、建設業種内での評価を反映しています。配当利回りは4.23%と堅調であり、安定した株主還元姿勢が示されています。
中期経営指針2030では、将来的な配当性向の引き上げやDOE 5.0%程度の目標も掲げられており、資本効率の向上を追求しています。これらの数値は、同社が目指す持続的な企業価値向上と株主還元の充実に向けた方針を反映しているものと考えられます。