事業モデル
同社は建設工事業を主軸とし、建築・土木、空調・衛生、電気・通信、水処理プラントなど多岐にわたる工事の設計、監理、施工を展開しています。子会社を通じて専門性の高い設備工事やメンテナンス、点検、維持管理業務も幅広く手掛けており、強固な事業基盤を有しています。近年は現場施工から工場製造への転換を進める「建設プロダクト」の深化を通じた工業化を推進しており、生産性と品質の向上を図っています。
また、水力発電のメンテナンスや運営など、多角的な事業展開を行っているのが特徴です。2026年10月には大和メンテナンス株式会社を吸収合併する予定であり、組織体制の強化を進めています。
KPI
当連結会計年度の売上高は543億2千7百万円に達し、前連結会計年度比で2.2%増と過去最高を更新しました。受注高については、施工体制の最適化に向けた戦略的な抑制により、前連結会計年度比7.0%減の552億3百万円となっています。営業利益は収益性を重視した方針が奏功し、前連結会計年度比12.6%増の54億1百万円と連続最高益を記録しました。
経常利益も同期間で15.8%増の61億2千万円となり、堅調な業績推移を示しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益等の影響もあり、前連結会計年度比16.7%増の45億8千9百万円となりました。
成長ドライバー
同社は「中期経営計画(2023年〜2025年度)」に基づき、建設工事業の工業化推進と成長領域への資源集中を加速させています。特に「ヤマトテクノパーク」の稼働により、鉄骨や設備の自動化・ロボット化・搬送効率化を促進し、施工の工業化を深化させる方針です。また、リニューアルやリノベーション分野への戦略的投資を行うことで、変化する市場ニーズに対応した安定的な受注確保を目指しています。
研究開発活動においては、水処理や温浴施設の衛生管理など、高度な技術力を要する領域での新技術開発に積極的に取り組んでいます。2028年度には売上高600億円、経常利益58億円という野心的な目標を掲げており、成長に向けた投資フェーズにあります。
リスク
建設業界特有の課題として、資材調達価格の高騰や人手不足によるコスト上昇、および施工能力の縮小リスクが挙げられます。これに対し同社は、資材価格のモニタリング強化やスライド条項の合意、さらには現場管理の集約化や定年延長による人材確保への対応を進めています。また、受注請負型ビジネスであるため、取引先の信用不安による代金回収遅延のリスクに対し、厳格な与信管理体制を構築しています。
気候変動への対応として省エネルギー技術の強化や、情報セキュリティに関する多層的な防御策の導入も重要課題と位置づけています。さらに、M&Aにおける投資効果の不確実性や、法規制の遵守など、事業継続に不可欠なリスク管理を徹底しています。
競合
同社は建設工事業において、建築・土木から高度な設備工事まで広範な技術領域をカバーするポジションを確立しています。競合環境においては、資材高騰や人手不足といった業界共通の課題に対し、施工の工業化による生産性向上で差別化を図る戦略をとっています。特に水処理プラントや空調衛生分野では、独自の研究開発を通じた高度な技術提供により優位性を構築しています。
また、単なる施工にとどまらず、メンテナンスや点検といった継続的な管理業務を内包することで、安定的な受注基盤の確保を目指しています。地域社会への貢献と高品質な「ものづくり」を軸に、独自の強みを持つ事業構造を構築しています。
バリュエーション
同社の株価は2,018円(2026年6月19日時点)となっており、時価総額は約454億円です。PERは10.27倍と算出され、PBRは1.06倍の数値を示しています。配当利回りは7.59%と高く、株主還元に対する積極的な姿勢が反映されています。
これらの指標は、同社の安定した収益基盤と成長への投資バランスを反映しているものと考えられます。現在の市場評価において、建設業としての堅実な経営と将来の工業化戦略が注目される水準にあります。