事業モデル

同社は、東京ガスグループを主要顧客とするガス設備事業やガス導管事業を中核とし、建築設備、電設、土木を含む総合設備工事業を展開しています。具体的には、屋内配管工事から戸建住宅の暖冷房給湯工事、さらには大規模な土木工事まで幅広い施工体制を有しています。非連結子会社を通じて車両リースや損害保険代理店業務も展開しており、多角的なサービス提供を行っています。

近年は、特定の取引先への依存度を低減するため、建築設備事業を新たな中核事業として育成する戦略を進めています。同社はライフラインを支える技術力を基盤に、公共性の高いインフラメンテナンスや高度な施工体制の構築に取り組んでいます。

KPI

当事業年度における売上高は37,416百万円となり、前年同期比で4.3%の増加を記録しました。利益面では、建築設備事業や電設・土木事業において高利益率の物件が多数完成したことにより、営業利益は1,483百万円(同18.9%増)に達しています。経常利益は1,674百万円(同14.6%増)、当期純利益は1,133百万円(同6.7%増)と、堅調な推移を見せました。

特に建築設備事業においては、給排水衛生設備工事の好調な進捗や工場施設関連の大型営繕工事が寄与しています。中期経営計画では、2027年度に向けた売上高400億円以上、経常利益率4.5%以上、ROE6.5%以上の達成を目標としています。

成長ドライバー

同社は「Triple“S”」と称する新中期経営計画のもと、建築設備事業の強化による事業ポートフォリオの再構築を進めています。具体的には、給排水衛生設備や空調設備、電気などを一括受注・施工できる体制を整備し、特定顧客への依存リスクを低減することを目指しています。また、老朽化対策に向けた予防保全型インファーメンテナンスや、省エネ対応の改修工事といった安定的な需要が見込まれる分野に注力しています。

さらに、基幹システムの刷新による業務効率化や、人材育成を通じた生産性の向上も成長を支える重要な要素です。これらの施策により、ガス工事の強みを活かしつつ、建物内の設備工事全般を担う総合的な施工能力の拡大を図っています。

リスク

主要顧客である東京ガスグループの売上構成比が約6割を占めており、同社の事業戦略変更や市場環境の変化による影響を受けるリスクがあります。また、建設業界特有の課題として、資材価格の高騰や人手不足に伴うコスト増、工期の長期化といった要因が採算に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、少子高齢化に伴う住宅着工数の減少や、競合他社との受注競争の激化も事業環境における不確実性として認識されています。

自然災害によるインフラへの被害や、それに伴う緊急対応コストの発生といったリスクにも備えるためのBCP策定を行っています。加えて、労働時間の上限規制や建設業界の担い手不足など、2025年問題に関連する人的資源の確保も重要な課題とされています。

競合

同社はガス設備工事において強固な基盤を有していますが、近年は競合他社の参入による受注競争の変化を注視しています。特に、特定の取引先への依存度を下げるための戦略として、建築設備事業における一括受注体制の強化を進めています。この動きは、単一の供給元に依存せず、より広範な建設・設備工事のニーズを取り込むための競争優位性の構築を目指すものです。

また、老朽化インフラのメンテナンスや防災・減災に向けた公共的な工事において、高度な技術力を武器に差別化を図っています。今後も、施工体制の整備と技術力の向上を通じて、多様な顧客層からの信頼を獲得し、市場での地位を確立する方針です。

バリュエーション

同社の株価は1,310円(2026-06-19時点)となっており、時価総額は約127.3億円です。投資家にとって注目すべき指標として、PERは11.15倍、PBRは1.24倍と算出されています。特に配当利回りは7.79%と非常に高い水準にあり、安定した収益基盤を背景とした株主還元が特徴的です。

これらの数値は、同社の堅実な経営基盤と、建設・設備工事における確かな技術力を反映しているものと考えられます。最新の市場データに基づくと、同社は配当を通じた投資家への還元に積極的な姿勢を見せています。