事業モデル
同社は、プレキャストコンクリートカーテンウォール(PCCW)の設計・製造・施工を主軸とする建設企業です。ビル外壁材として高いシェアを持ち、石やタイルを用いた製品から、独自の調合によるアーキテクチュラルコンクリートまで幅広く提供しています。また、プールや温浴施設などの水空間を扱うアクア事業を展開しており、新築だけでなくメンテナンスやリニューアルの需要も取り込んでいます。
製造・施工における品質管理体制を整え、設計事務所やゼネコンへの提案力を強みとしています。さらに、脱炭素に向けた研究開発にも注力しており、環境性能の高い製品群を拡充する方針です。
KPI
当連結会計年度の売上高は73億38百万円となり、前年比で21.8%の減少となりました。一方で受注高は91億82百万円と前年比23.0%増を記録しており、次期に向けた案件確保は進んでいます。アクア事業においては、売上高が前年比50.1%増、セグメント利益が233.9%増と大幅な成長を見せています。
経営目標として、景気低迷期を除き経常利益率10%以上を目指しており、当期は原価高騰の影響を受け2.5%となりました。資本効率の指標としてWACCを採用し、現状のROICとの乖離を改善するための取り組みを推進しています。
成長ドライバー
アクア事業におけるインバウンド需要に伴うホテル等のプール増加や、老朽化施設の更新需要が成長の柱となっています。PCCW事業においては、設計事務所への提案力を強化し、デザイン性や脱炭素といった付加価値の高い製品を訴求しています。特にカーボンネガティブコンクリートの製品化に向けた研究開発や、特許取得による技術的優位性の確保を進めています。
建設業界における人手不足に伴う供給側優位の環境変化を捉え、高付加価値な提案による受注単価の維持を図ります。また、SDGsに対応した壁形式などの新製品を積極的にPRすることで、採用面積の拡大を目指しています。
リスク
主要事業であるPCCWにおいて、競合品へのシフトや経済情勢の悪化に伴う受注減少のリスクが存在します。原材料価格の高騰や世界的な物流停滞による資材調達コストの上昇および遅延が、業績を圧迫する要因となります。建設業界特有の競争環境により、需給バランスの変化によって受注単価が低下するリスクにも対応が必要です。
また、製造・施工現場における重大事故や製品の不具合による損害が発生する可能性に備え、厳格な安全管理体制を敷いています。さらに、深刻な人手不足と技術者の高齢化が進む中で、人材の確保と育成が持続的な生産体制を維持するための重要課題となっています。
競合
同社はPCCW分野において高いシェアを持つ主要メーカーとして位置付けられています。競合品であるガラスカーテンウォールや押出成形版との差別化を図るため、高品質・高付加価値な製品展開に注力しています。建設業界の構造変化により、ゼネコン側が安易な価格競争を避け、供給能力のある企業へ発注する傾向にあると分析されています。
アクア事業においては、他社が撤退するメンテナンス案件を引き継ぐなど、競合優位性を確保するための戦略を展開しています。独自の技術開発や特許取得を通じた製品の差別化により、同業他社との競争における優位性を維持する方針です。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は560円となっており、時価総額は約44.4億円です。PERは23.47倍と算出されており、将来の成長期待が織り込まれている状況にあります。PBRは0.40倍であり、資産価値に対して割安な水準で推移しています。
配当利回りは3.57%となっており、安定した還元姿勢が見て取れます。これらの指標は、同社の強固な事業基盤と今後の成長戦略を反映した評価となっています。