事業モデル

同社はDX伴走支援サービスを主たる事業として展開しており、専門スキルを持つデジタルクリエイターが3名以上で構成される専任チームを編成しています。提供するサービスは「制作/UIUX」「マーケティングDX」「デジタルサービス開発」「データ活用支援」「脱炭素DX」の5つの領域に分類されます。顧客企業のデジタル化に対し、単なる外注ではなく共に手を動かしながら伴走するスタイルをとることで、高い付加価値を提供しています。

特に近年は、より高度な需要が見込まれるDX領域への戦略的な転換を進めており、同領域の付加価値売上高が順調に拡大しています。また、脱炭素DXを軸としたサステナブル経営支援も重要な事業基盤として位置づけられています。

KPI

当連結会計年度において、重要指標である付加価値売上高は23,507百万円となり、前年比10.5%増と過去最高を更新しました。DX領域の付加価値売上高成長率は前年同期比32.6%増と高く、全社の付加価値売上高に占める同領域の比率は54.2%まで拡大しています。人材育成のKPIとして掲げた「DX人材比率」は目標の65.0%を上回る72.0%を達成し、PMO人材数も目標の1,000名を大きく上回る1,482名に達しました。

全社の平均稼働率は前年同期比6.6ポイント増の83.1%となり、新卒1年目の稼働率も大幅な改善を見せています。さらに、新卒2年目以上のデジタルクリエイターにおける一人あたり売上単価も前年比7.4%増と向上しています。

成長ドライバー

成長の主要な原動力は、高付加価値なDX領域への戦略的なシフトと、それに伴う収益性の改善にあります。特にUIUXデザインやデータ活用支援といった高度な案件への注力により、売上総利益率は前年比5.5ポイント増の26.4%へと向上しました。また、「SINCA90」プロジェクトを通じてデジタルクリエイターをDX人材へ育成する体制を強化し、専門性の高い組織への変革を進めています。

AI技術の戦略的な利活用や、AI駆動開発伴走支援の開始など、最新技術を取り入れたサービス拡充も成長を後押ししています。さらに、M&Aを通じた機動的な投資により、UIUXデザインなどの強みを持つ子会社を統合し、事業基盤の強化を図っています。

リスク

DXおよびインターネット関連業界は参入障壁が低く、技術進歩のスピードが速いため、競合の出現や新技術による既存サービスの代替リスクが存在します。また、広告市場は景気動向に左右されやすく、経済状況の変化が売上成長率に影響を及ぼす可能性があります。AI技術の急速な進化により、従来の単純作業を含む事業モデルが自動化によって代替される懸念も認識されています。

さらに、広告業界特有の慣行として、広告主の倒産等による代金未回収リスクや、書面のない契約に伴うトラブルのリスクを抱えています。加えて、高度なスキルを持つデジタルクリエイターの確保と定着は経営上の最優先課題であり、離職率の動向が事業継続に影響を与える可能性があります。

競合

同社は、単なる制作受託にとどまらず、顧客企業のDX内製化を伴走支援する「Digital Growth Team」という独自のポジションを確立しています。競合他社と比較して、専門スキルを持つクリエイターによる専任チーム体制が強みとなっており、高い付加価値の提供を可能としています。特に高度な技術を要するDX領域において、顧客と密接に連携する伴走型モデルは競争優位性を生む要因となっています。

また、脱炭素DXなどの社会課題解決型への転換を進めることで、独自の市場ポジションを構築しています。人材の専門性向上と教育体制の強化を通じて、高度な技術革新に対応できる組織体制作りによる差別化を図っています。

バリュエーション

最新の市場データにおいて、同社の株価は1,278円となっており、時価総額は約134.8億円です。PERは11.11倍と算出されており、PBRは2.03倍となっています。配当利回りは3.33%となっており、安定した還元姿勢が見て取れます。

これらの数値は、同社がDX領域への転換による収益性の向上を達成しつつ、成長に向けた投資を継続している現状を反映しています。分析の基礎となるこれらの指標は、最新の市場データに基づいた評価となります。