事業モデル
同社は持株会社として、企業間取引(BtoB)の効率化を目的とした「EC事業」と「フィナンシャル事業」を展開しています。EC事業では、アパレルや雑貨の卸売を支援するBtoBサイト「スーパーデリバリー」を運営し、国内および海外向けの流通プラットフォームを提供しています。
フィナンシャル事業では、売掛保証サービス「URIHO」や決済代行「Paid」を提供しており、企業間の取引における与信リスクの低減と決済の円滑化を支援しています。これらの事業は相互にリソースを共有し、シナジー効果を最大化する方針で運営されています。
KPI
EC事業においては、国内および海外の流通額が重要な指標となっており、当連結会計年度において「スーパーデリバリー」の流通額は前年比9.9%増の27,676,709千円に達しました。また、フィナンシャル事業では、売掛保証の保証残高が重要な指標であり、当連結会計年度末には前年比12.0%増の62,998,644千円を記録しています。
さらに、フィナンシャル事業における「Paid」の取扱高も成長しており、グループ内の取扱分を含む全体の取扱高は前年比12.9%増の53,763,554千円となりました。これらの指標は、同社の提供するプラットフォームと保証サービスの規模拡大を反映しています。
成長ドライバー
今後の成長に向けた主要な戦略として、「ラクーンBtoBネットワーク」構想を掲げ、約50万社の顧客基盤を活用したクロスセルやサービス連携の強化を推進しています。EC事業では、AIを活用したパーソナライズ化による仕入活動の促進や、リコメンド機能の高度化を通じて会員の利便性を向上させる方針です。
また、フィナンシャル事業においては、加盟企業の獲得と単価の向上を通じた規模拡大を目指しています。さらに、システム開発体制への投資を強化することで、事業成長のボトルネックとなっている開発リソースの不足を解消し、より迅速な機能拡張を図る計画です。
リスク
フィナンシャル事業における売掛保証は、経済情勢や景気動向の急激な変化により、想定を超える保証履行が発生した場合に業績や財政状態に影響を与えるリスクがあります。同社は審査基準の厳格化や再保険の活用によってこのリスクをコントロールしていますが、依然として注意を要する領域です。
また、EC事業においては、取り扱う商品が知的財産権や薬機法などの法的規制を受ける場合があり、不適切な販売が行われた際の社会的信用への影響が懸念されます。さらに、競合他社との競争激化や、DX推進の遅れによる市場環境の変化も、将来的な事業規模拡大に影響を及ぼす可能性があります。
競合
同社の提供する「情報」と「決済」、および「売掛保証」に関するサービスは、それぞれにおいて競合企業が存在する市場環境にあります。同社は、長年蓄積してきた企業間取引特有の商慣習に対するノウハウを強みとしています。
これらのノウハウに基づき、ユーザーの利便性向上や安心できる取引環境の提供を通じて差別化を図っています。特に、ECとフィナンシャルを組み合わせた独自のビジネスモデルにより、競合他社との差異化を継続的に追求する方針です。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は558円となっており、時価総額は約115.1億円です。PERは14.45倍、PBRは2.51倍と算出されています。
また、配当利回りは3.89%となっており、投資家に対して一定の還元姿勢を示しています。これらの数値は、同社の成長戦略と現在の市場評価を反映したものです。