事業モデル
同社は「より多くの人が、よい食生活を楽しめるサービス」の提供を理念に掲げ、独自の栽培・生産基準に基づいた高付加価値な食品を提供する。BtoCサブスク事業では、「Oisix」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」の3ブランドを展開し、国内および米国市場へ展開している。
一方でBtoBサブスク事業では、病院や高齢者施設向けの給食提供、保育園への食材卸、社員食堂の運営など多岐にわたるサービスを提供。さらに社会サービスや車両運行などのインフラ系事業も手掛けることで、安定的な収益基盤を構築している。
KPI
当連結会計年度において、売上高は前年比72.5%増の256,009百万円に達し、大幅な規模拡大を記録した。営業利益も33.9%増の6,864百万円となり、特にBtoBや社会サービス等の事業において高い成長率を示している。
セグメント別では、BtoCサブスク事業が約971億円、BtoBサブスク事業が約608億円の売上を計上した。その他にも車両運行や社会サービスといったインフラ系事業が寄与し、多角的な収益構造を構築している。
成長ドライバー
BtoC領域では、「プレミアム」と「時短」の両立を目指す「Kit Oisix」の展開や、特定のターゲットに向けた新コースの立ち上げにより成長を図る。また、製造工程の内製化や物流拠点の効率化を通じて、商品原価および物流費の削減による収益力強化を推進している。
BtoB領域では、シダックスとの統合による規模拡大に加え、BtoCで培ったミールキット開発ノウハウを業務用に転用する「タイパ(タイムパフォーマンス)モデル」を構築。人手不足やコスト増が課題となる給食業界において、省人化と高付加価値の両立を目指す。
リスク
BtoC事業においては、ネットスーパーや他社による食品販売の強化など、EC市場における競合激化がリスク要因として挙げられる。また、原材料価格の高騰や物流コストの上昇といった外部環境の変化も、収益性に影響を及ぼす可能性がある。
供給面では、気候変動に伴う大規模な風水害による農産物の欠品や品質劣化、さらには食中毒やアレルギー事故などの安全管理上のリスクが存在する。これらに対し、同社は複数拠点からの調達体制の構築や厳格な衛生管理マニュアルの遵守により対応を図っている。
競合
BtoCサブスク事業においては、ネットスーパーや各地域の生活協同組合、冷凍弁当の宅配サービスなどが競合となる。しかし、同社は独自の栽培・生産基準による高付加価値な商品と、特定のターゲットに刺さるブランド力を武器に差別化を図っている。
BtoBサブスク事業においては、給食業界における大手企業との競争が激化しており、価格競争による受託価格の低下が懸念される。これに対し、同社は独自のノウハウを活かした効率的な運営体制や、他社との提携を通じたサービス提供の差別化により優位性を確保する方針である。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、当社の株価は1,330円となっており、時価総額は約507.4億円と算出される。PERは11.21倍、PBRは1.85倍の水準で推移している。
配当利回りは1.78%となっており、安定した事業基盤を背景とした評価を得ている。これらの数値は、同社が持つ独自のブランド力とBtoBを含む多角的な事業ポートフォリオを反映したものとみられる。