事業モデル
同社は、一般流通市場や競売で取得した中古住宅にリフォームを施し、付加価値を高めて販売する「中古住宅再生事業」を主軸としています。仕入から販売までを一貫して同一の担当者が行う体制により、物件情報に基づいた適切な価格設定や販売戦略の遂行を実現しています。
販売活動においては、特定の仲介会社に依存せず、地元の不動産仲介会社へ広く委託する仕組みを構築しており、少人数での広域展開を可能としています。また、収益用物件についてはリノベーションとリーシング活動を通じて投資利回りの向上を図り、近年はその取扱規模も拡大傾向にあります。
KPI
当事業年度における居住用物件の販売件数は928件となり、前事業年度比で6.9%増加しました。平均販売単価は市場価格の上昇を反映し、26,454千円(同3.9%増)に達しています。
収益用物件については、一棟賃貸マンション10棟の売却を実施しており、ノウハウの蓄積により取引規模が拡大しています。一方で、長期保有物件の価格見直しによる影響を受け、当事業年度の売上総利益率は前年同期の16.4%から14.0%へと低下しました。
成長ドライバー
第3次中期経営計画において、東京23区内の高価格帯物件や2億円超のハイグレード物件の取り扱いを強化し、より多様な顧客ニーズへの対応を図る方針です。また、収益用物件の大型化を進めることで、さらなる事業規模の拡大を目指しています。
さらに、リゾート事業における貸別荘運営などのノウハウ蓄積や、人材育成による生産性の向上を通じた販売件数1,000件体制の早期構築を目標としています。これらの施策により、物件の回転率を高めながら収益力の強化を図る計画です。
リスク
不動産市況や金利動向の変化は、仕入価格や販売価格に直接影響を与えるため、業績が外部環境に左右されやすい特性があります。また、リフォーム資材の調達難や人件費の高騰、大工不足による工事の遅延などが商品化を妨げるリスクも存在します。
さらに、物件の長期在庫化は販売価格の見直しや評価損の発生を招き、有利子負債の増加を通じて財務状態に影響を及ぼす可能性があります。また、競売物件における占有者の明渡し期間の長期化や、不動産登記に公信力がないことによる権利関係の不確実性も重要なリスク要因として挙げられています。
競合
中古住宅流通市場は、新築物件の価格高騰を背景に、サステナビリティの観点からも需要が堅調に推移する環境にあります。同社はこの競争環境において、リフォームによる付加価値向上と独自の販売体制により優位性を確保しようとしています。
競売市場においては、参入障壁が低いため他社の参入による価格競争や落札件数の減少といったリスクが存在します。これに対し、同社は物件の事業期間を短縮し回転率を高めることで、競合に対する優位性と収益力の強化を図る戦略をとっています。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、株価は2,064円、時価総額は約294.9億円となっています。PERは16.31倍、PBRは2.31倍と算出されています。
配当利回りは1.90%となっており、同社は中期経営計画において、資本効率性の向上と財務健全性の維持を両立させる方針です。具体的には、自己資本比率30%以上を維持しつつ、ROE 12%以上を目指すことで株主価値の向上を図っています。