事業モデル
同社は「ZENMU-AONT」という独自開発の秘密分散技術を活用したソリューションを提供しています。この技術はデータを無意味な状態に変換・分散することで、暗号鍵やパスワードによる管理を必要とせずに高度なセキュリティを実現するものです。
収益モデルは、ライセンスを一括販売するフロー型に加え、保守やアップデートを含むストック型のサブスクリプション契約の二層構造で構成されています。特に大規模案件では代理店との協業を通じて獲得されるケースが多く、安定的な事業基盤の構築を目指しています。
KPI
当事業年度における売上高は851,943千円となり、前年同期比で31.3%の成長を記録しました。営業利益は144,138千円(同88.3%増)、経常利益は160,545千円(同90.8%増)と大幅な増益を達成しています。
純利益も前年同期比で98.6%増の155,917千円に達しており、成長に向けた基盤構築が成果として現れています。また、当事業年度の研究開発費は107,189千円を投じ、技術の高度化と製品の拡充に取り組んでいます。
成長ドライバー
主力製品である「ZENMU Virtual Drive」の普及に加え、ドローンやIoT機器など多様なデバイスへの展開が成長の柱となります。特にドローンにおける実証試験の成功は、機体紛失時などの情報漏洩を防ぐ新たな市場開拓に寄与すると期待されています。
また、秘密計算ソリューション「QueryAhead」の開発も進めており、グローバルな需要が見込まれるこの分野での事業化を推進しています。医療AIプラットフォームへの参画など、他分野との連携を通じた技術の適用範囲拡大も重要な成長戦略です。
リスク
同社は情報セキュリティ事業に特化した単一セグメントであり、主力製品である「ZENMU Virtual Drive」への高い依存度が経営上のリスク要因となります。特定サービスへの集中による市場環境の変化が、直接的に業績へ影響を及ぼす可能性があります。
また、技術革新のスピードや競合他社の動向により、自社技術が陳腐化するリスクも認識されています。研究開発に対する投資が必ずしも期待通りの収益に結びつかない不確実性や、販売代理店への依存による情報収集の遅れといった課題にも対応が必要です。
競合
同社の強みは、従来の暗号化技術とは異なる「データの無意味化」というアプローチにより、管理コストを抑えつつ高いセキュリティを実現する点にあります。特に低コストかつ利便性を両立する点が、仮想デスクトップ等の代替手段として優位性を持っています。
競合他社との差別化においては、独自の秘密分散技術の高度な活用と、それを多様なデバイスや用途へ展開するスピードが重要となります。市場の成長が見込まれるエンドポイントセキュリティ分野において、独自技術による参入障壁の構築を進めています。
バリュエーション
2025年12月31日時点の当事業年度末における純資産は814,889千円であり、自己資本比率は62.9%と安定した財務基盤を有しています。上場時の増資や好調な業績により、前事業年度末と比較して大幅な増加を見せています。
当事業年度の売上高は851,943千円に達しており、成長に向けた投資を継続できる資金状況を確保しています。また、長期借入金を全額返済したことで固定負債が解消されており、健全な財務体質のもとで次なる成長フェーズへの移行を図っています。
