事業モデル
同社は建設資材の販売、設計、施工を一貫して行う体制を整えており、特に「あと施工アンカー」を中心としたファスナー事業が基盤となっています。土木資材事業ではトンネル掘削資材や防水シートの提供を行い、建設事業ではコンクリート構造物の補修・リニューアル工事を展開しています。
これらの事業は、公共投資を主軸とした政府の建設投資に連動しており、新設から維持・補修へとシフトする市場環境に対応した技術提案型営業を行っています。独自の施工工法や高度な専門性を武器に、単なる資材販売に留まらない付加価値の高いソリューションを提供しているのが特徴です。
KPI
当連結会計年度の売上高は255億48百万円を記録し、そのうち完成工事高が155億89百万円と大きな割合を占めています。セグメント別では、建設事業が113億67百万円、ファスナー事業が81億49百万円、土木資材事業が70億76百万円の売上を計上しました。
研究開発費として当連結会計年度には119,690千円を投じており、新製品の開発や施工方法の効率化、点検診断機器の開発に注力しています。特に「RMA」工法などの独自技術の高度化と、それに関連する建設技術審査証明の更新取得に向けた取り組みが継続されています。
成長ドライバー
成長の源泉は、独自の技術力を基盤とした高付加価値な製品・工法の開発と、それらを活用した施工案件の獲得にあります。特にコンクリート構造物の補修やリニューアルといったメンテナンス需要の拡大は、同社の強みである専門的な工事能力と合致しています。
また、中期経営計画において掲げているデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みや、人的資本経営を通じた組織力の強化も将来の成長を支える要素です。これらの施策により、生産性の向上と持続的な企業価値の向上を目指す方針を打ち出しています。
リスク
建設業界特有の動向として、公共投資の削減や資材価格の高騰、労務費の上昇といった外部要因が業績に影響を与える可能性があります。特に原材料価格の上昇分を販売価格へ転嫁できない場合や、工期延長に伴うコスト増への懸念が存在します。
また、現場での重機使用に伴う重大な労災事故の発生リスクや、施工物件における予見困難な瑕疵による損害賠償のリスクも認識されています。これらに対し、同社は品質管理体制の整備、安全教育の徹底、および各種損害保険への加入等によりリスク低減を図っています。
競合
建設資材および工事の市場において、近年は競合他社との価格競争が激化しており、適正な価格維持に向けた戦略的な対応が求められています。同社はこれに対し、独自の技術力や施工ノウハウを組み合わせた「提案型」の展開により差別化を図っています。
特に土木資材分野では地域特性による需要の変動があるものの、独自工法による付加価値の提供で優位性を確保しようとしています。また、他社との競争環境を見据え、コスト削減施策や施工効率の向上を継続的に進めることで収益力の強化を図る方針です。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は1,495円となっており、PERは10.64倍と算出されています。PBRは0.50倍であり、資産価値に対して割安な水準で評価されている状況にあります。
また、配当利回りは9.28%と非常に高い水準を示しており、安定した収益基盤を背景とした株主還元への期待が伺えます。時価総額は約111億円であり、地道な技術革新とインフラメンテナンス需要の取り込みによる成長が注目されます。