事業モデル
同社は「やさしく、つよく、おもしろく。」という行動指針のもと、コンテンツの企画・編集・制作・販売を通じて多様な「場」を提供しています。ウェブサイト「ほぼ日」を核としつつ、手帳、アプリ、リアル店舗、イベントなど多角的な接点を構築しています。
これらの「場」は単なる商品の提供にとどまらず、作り手と受け取り手がフラットに交流する空間を目指しており、独自のクリエイティビティを追求しています。コンテンツの制作プロセスにおいては、顧客の反応から得られる「あったらいいな」という想いを深掘りし、社会に対して開かれた形で展開する仕組みを構築しています。
KPI
当事業年度の売上高は8,677,878千円となり、前年同期比で15.2%の増加を記録しました。営業利益は616,897千円(同12.7%増)、経常利益は651,043千円(同19.7%増)と、堅調な成長を見せています。
特に「ほぼ日手帳」の売上高は国内・海外合わせて5,850,001千円に達し、前年比18.4%増となりました。そのうち海外売上高の構成比率は52.5%と上昇しており、グローバルな展開が収益に寄与していることが確認できます。
成長ドライバー
「ほぼ日手帳」における多種多様なコラボレーションや、周辺文具の拡充によるラインナップの拡大が成長を牽引しています。特に2025年版では過去最大級のアイテム展開を行い、国内外での販売数量を押し上げました。
また、「生活のたのしみ展」や「ほぼ日曜日」といったリアルな体験を提供する場への投資も積極的に行っています。これらの活動を通じてファンとの接点を深化させるとともに、SNSを通じた海外ユーザーによるコンテンツ生成(UGC)の増加が、さらなるブランド価値の向上に寄与しています。
リスク
独自のブランド力を維持するためのコンテンツ制作において、SNS等での情報の拡散に伴う炎上リスクや、顧客の志向変化によるブランド価値の低下が懸念されます。また、新サービスの展開には適切な人材配置と損益管理が必要となります。
組織面では、創業者である代表取締役社長への高い依存度が課題として挙げられています。現在は次世代経営陣への移行を見据えた体制構築を進めていますが、急激な組織拡大による独自の組織風土の希薄化や、IT環境の変化に対する対応遅れが事業に影響を及ぼす可能性があります。
競合
同社は単なる小売業にとどまらず、独自の世界観に基づくコンテンツ制作と「場」の提供を通じて競合との差別化を図っています。ウェブサイトやSNSを活用した独自のコミュニティ形成により、ファンとの強固な関係性を構築しています。
特に「ほぼ日手帳」においては、他社にはないストーリー性やコラボレーションを積極的に取り入れることで、高いブランドロイヤリティを獲得しています。多角的な展開を行う一方で、各サービスを統合するIDシステムの導入など、利便性と独自性の両立を図る戦略をとっています。
バリュエーション
2026年8月7日時点の市場データにおいて、同社の株価は4,290円となっています。この時の時価総額は約99.8億円(9,981,555,712円)と算出されています。
また、同日のデータに基づくPERは10.76倍、PBRは1.78倍となっており、配当利回りは2.09%を記録しています。これらの指標は、独自のコンテンツ資産とブランド力を背景とした評価を反映しているものと考えられます。
