事業モデル

同社は「森づくり」と「紙づくり」を核とした資源循環型モデルを展開しており、生活産業資材、機能材、資源環境ビジネス、印刷情報メディアの4つの主要セグメントで事業を展開しています。各事業は、段ボール原紙や包装用紙といった基盤的な製品から、感熱紙や粘着フィルムなどの高付加価値な機能材まで多岐にわたります。

特に資源環境ビジネスにおいては、パルプ製造やエネルギー事業、広大な植林地の管理・運営を通じて安定した原材料供給体制を構築しています。また、海外市場における展開も積極的であり、東南アジア、北米、欧州などグローバルなネットワークを活用して製品を提供しています。

KPI

当連結会計年度の売上高は18,493億円に達し、前年比で1,530億円(9.0%)の増収を記録しました。海外売上高比率は40.8%となり、前年から5.9ポイント上昇しています。

一方で営業利益は677億円と、物流費や人件費等のコスト上昇の影響により前年比で49億円(6.8%)の減益となりました。経常利益についても、為替差損の発生などにより前年比174億円(20.3%)の減益となっています。

成長ドライバー

成長の柱として、脱プラスチックやリサイクル対応に向けた「サステナブル素材」への転換を推進しています。具体的には、欧州でのパッケージング事業基盤構築のためのWalki社の買収や、木質由来の糖液・エタノールのパイロット製造設備の導入など、次世代の資源循環型製品の開発に注力しています。

また、若手層への訴求を含む人的資本戦略や、DXを活用した業務の省力化による生産性の向上も成長を支える基盤として位置づけられています。これらの取り組みを通じて、2030年に向けた「環境行動目標」の達成と企業価値の最大化を目指しています。

リスク

原材料となるパルプやエネルギー資源の調達価格は、国際情勢や貿易政策の影響を受けやすく、コスト構造に大きな影響を及ぼす可能性があります。これに対し、同社は多様な調達先の確保やサプライチェーン全体での安全性・合法性の確認を通じてリスク低減を図っています。

また、国内における人口減少に伴う労働力不足や、海外事業における地政学リスクも重要な課題として認識されています。これらのリスクに対しては、DXの推進による省力化や、地域統括会社による情報収集体制の強化によって対応を進めています。

競合

同社は、国内外で広範なネットワークと独自の技術力を有するグローバル企業としての地位を確立しています。特に段ボール原紙や包装資材といった基礎的な分野から、高度な加工技術を要する機能材まで幅広い製品群を展開することで、多様な顧客ニーズに対応しています。

競合環境においては、原材料価格の変動や物流コストの上昇が共通の課題となりますが、同社は独自の森づくりによる安定した資源確保と、高付加価値品へのシフトを通じた競争力の強化に取り組んでいます。特にサステナブル素材分野での技術優位性の確立を、今後の差別化要因として重視しています。

バリュエーション

最新の市場データに基づくと、当社の株価は785.5円となっており、時価総額は約6,833.8億円です。PERは23.31倍と算出され、投資家に対する期待値が反映されています。

一方でPBRは0.64倍であり、資産価値に対して割安な水準で評価されている側面があります。配当利回りは4.47%となっており、安定した還元姿勢を示しています。