事業モデル

同社は「デジタルパートナー事業」を展開しており、顧客の課題解決に向けて企画、デザイン、システム開発、運用までを一気通貫で提供しています。特にスマートフォンアプリ関連の知見を活かしたソリューションに強みがあり、他社と一線を画す体制を構築しています。

提供サービスは「クライアントワーク」と「アプリ分析サービス」の2軸で構成されています。前者は受託型で、事業開発コンサルティングやUI/UXデザインを含む高度な制作を提供し、後者は独自のデータを用いたSaaS型の分析レポートを提供する仕組みです。

KPI

当事業年度の売上高は2,008,991千円となり、前事業年度と比較して32.4%の増収を記録しました。このうちクライアントワークが1,898,841千円と売上の大部分を占めており、新規の大口取引や既存案件の進捗が寄与しています。

利益面では、営業利益が189,734千円(前事業年度比1,363.7%増)、当期純利益が197,123千円(同585.0%増)と大幅な伸長を見せています。売上原価はクリエイティブ人材の増員や外注費の増加により、前事業年度比29.8%増の1,155,251千円となっています。

成長ドライバー

成長の源泉は、国内大手企業が抱えるDX推進における「知見」と「クリエイティブ人材」の不足を補うワンストップな提供体制にあります。特にスマートフォンアプリ市場はDXの中核として注目されており、良好な市場環境を追い風としています。

また、独自のプロダクトである「App Ape」を通じたデータ分析基盤の強化も重要な要素です。同社は独自技術への投資を通じて差別化を図りつつ、高度な専門性を有する人材の確保と育成を推進することで、持続的な事業成長を目指しています。

リスク

主要なリスクとして、深刻なIT人材不足による採用難や、若年層の減少に伴う優秀なクリエイティブ人材の獲得競争の激化が挙げられています。また、大規模プロジェクトにおける顧客の意思決定遅延やコミュニケーション不全による工期・コストの増大も懸念事項です。

「App Ape」に関しては、競合他社との機能比較によるシェア低下や、プラットフォーマーの方針変更に伴うデータ収集困難のリスクが存在します。さらに、システム基盤への高い依存度から、通信インフラや主要サービスの停止が事業に影響を及ぼす可能性も認識されています。

競合

同社は、単なる開発ベンダーやデザイン会社とは異なる「デジタルパートナー」としての立ち位置を明確にしています。複数の企業が関与することで発生する進捗の遅延や品質の低下といった課題に対し、一気通貫の体制で解決策を提供することで差別化を図っています。

競合環境においては、強固な取引基盤を持つ大手企業や、成長著しい新興ベンチャー企業の参入が予想される状況にあります。同社は、高度な専門性を有する「ワンチーム」による高品質なサービス提供と、顧客との密接な関係構築によって競争優位性を維持する方針です。

バリュエーション

2024年6月30日時点の市場データに基づくと、同社の株価は1,587円(グロース市場)となっています。この時点での時価総額は191億円であり、PERは34.1倍、PBRは4.5倍と算出されています。

また、同期間における配当利回りは0.0%となっており、現在は成長投資や事業拡大に向けた体制整備に重点を置くフェーズにあることが伺えます。