事業モデル
同社は「紙・板紙事業」と「ホーム&パーソラルケア事業」、およびそれらに関連する「その他」の3つの主要セグメントを展開しています。紙・板紙事業では、新聞用紙や包装用紙、段ボールなどの製造販売を行い、特に環境配慮型製品や機能材分野での展開を強化しています。
ホーム&パーソナルケア事業では、衛生用紙や紙おむつ、フェミニンケア用品などを提供しており、国内では付加価値商品の拡販に注力しています。海外市場においても、中国やブラジルなど複数の国々で製品の販売を展開し、グローバルな展開を進めています。
KPI
当連結会計年度の売上高は668,912百万円となり、前年同期比で0.4%の微減となりました。一方で営業利益は4,559百万円の減少(前年同期比31.7%減)を記録し、経常利益も5,092百万円の減少(同52.9%減)となっています。
セグメント別では、紙・板紙事業の売上高が351,166百万円、ホーム&パーソナルケア事業の売上高が295,188百万円となりました。特にホーム&パーソナルケア事業においては、国内での価格改定の浸透や新商品の好調により、セグメント損失を前年同期から縮小させています。
成長ドライバー
成長戦略として「Daio Group Transformation 2035」を掲げ、2035年度までに売上高1兆2,000億円、営業利益率10%の達成を目指しています。このビジョンの下、環境変化に対応できる研究開発力の強化や、脱プラスチック・減プラに貢献する「FSエリプラ」ブランドの開発を推進しています。
また、紙・板紙事業ではメディア向けから梱包・包装用途へのシフトを進め、高強度の板紙生産技術などの高度な技術開発に取り組んでいます。ホーム&パーソナルケア事業では、国内での付加価値商品の拡販や、海外における不採算事業の整理を通じた構造改革により、収益基盤の強化を図っています。
リスク
原材料となる木材チップや古紙、薬品などの価格変動に加え、為替相場の変動が経営成績に与える影響を重要なリスクとして認識しています。これに対し、一部取引での為替予約によるヘッジや、安定供給に向けた「SDGs調達」の推進など、多角的な対策を講じています。
また、海外事業における地政学的リスクや、自然災害・感染症による物流・生産への影響も想定される要因です。さらに、サイバー攻撃に対する情報セキュリティの強化や、金利上昇に伴う財務への影響を抑えるための固定金利での資金調達など、多方面なリスク管理体制を整備しています。
競合
紙・板紙事業においては、新聞のデジタル化による構造的な需要減退に対し、包装用紙などの機能材や環境配慮型製品で差別化を図る戦略をとっています。特に脱プラスチックの流れを受け、代替となる高強度な紙製品の開発を通じて市場での優位性を確保しようとしています。
ホーム&パーソナルケア事業では、衛生用紙からベビーケアまで幅広いラインナップを揃えることで、特定のカテゴリーにおける需要変動の影響を最小化しています。国内市場においては、付加価値商品の展開や積極的な価格改定の浸透を通じて、競合他社との差別化と収益性の向上を目指す体制を構築しています。
バリュエーション
最新の市場データに基づくと、同社の株価は903円となっており、時価総額は約1434.2億円です。PERは17.30倍、PBRは0.63倍と算出されています。
配当利回りは1.51%となっており、投資家に対して一定の還元姿勢を示しています。これらの数値は、同社が取り組む構造改革や中長期的な成長戦略の進捗を評価する上での基礎的な指標となります。