事業モデル

同社は化学工業製品や圧電材料の製造・販売を主軸とし、機能性材料事業と電子材料・化成品事業の2つのセグメントを展開しています。機能性材料事業では酸化チタンや微粒子酸化亜鉛などの提供を行い、電子材料・化成品事業では圧電材料や導電性高分子薬剤などを取り扱っています。

これらの製品は化粧品原料や自動車部品、情報インフラなど多岐にわたる分野で活用されています。また、子会社を通じて海外での製造・販売体制を構築しており、グローバルな供給網を構築しています。

KPI

当連結会計年度の売上高は573億7千300万円となり、前年同期比で2.9%の増加を記録しました。一方で、機能性材料事業における減損損失の計上や設備増設に伴う償却費の影響により、営業利益は21億7千6百万円(前期比38.3%減)に留まっています。

特に電子材料・化成品事業では、界面活性剤や導電性高分子薬剤が好調に推移し、売上高は前年同期比で14.9%の伸長を見せました。一方で機能性材料事業は、海外競合との競争激化や国内需要の減退により、売上高が前年を下回る結果となりました。

成長ドライバー

中期経営計画「MOVING-10 STAGE3」において、同社は成長事業の重点的な拡大と資本政策の刷新を掲げています。具体的には、電子材料事業で売上高を2倍以上に引き上げ、医療・圧電関連事業でも目標値を設定しています。

また、研究開発活動においても、高度化する市場要求に応えるための粒子制御技術や表面処理技術の磨き込みを継続しています。特に化粧品原料分野では、安全性と透明性を両立した新材料の開発を通じて、グローバルニッチでのポジション強化を目指しています。

リスク

事業運営における主要なリスクとして、地政学リスクに伴う原材料価格の高騰や、為替相場の急激な変動が挙げられます。特に酸化チタン鉱石などの輸入原料は国際的な需給状況に左右されやすく、コスト転嫁の遅れが収益を圧迫する可能性があります。

また、海外事業の拡大に伴うカントリーリスクや、化学物質管理に関する環境規制の強化も重要な課題です。これらのリスクに対し、同社は仕入先との連携強化や、製品設計段階からの環境負荷低減など、多角的な対策を講じています。

競合

機能性材料事業における汎用用途の酸化チタンについては、中国をはじめとする海外競合他社の安価な製品との競争が激化しています。このため、同社はより付加価値の高い特殊な用途向けの供給に重点を置く構造改革を進めています。

一方で、電子材料・化成品事業においては、AIサーバー等の情報インフラ需要や車載用途の拡大など、特定の成長分野で強みを発揮しています。独自の技術力を背景としたニッチな市場での優位性を確立することで、競争環境への対応を図っています。

バリュエーション

2026年8月7日時点の株価は2,413円となっており、同日の時価総額は約504.0億円です。この時点における株価純資産倍率(PBR)は0.83倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは3.60%となっています。これらの指標は、同社が推進する事業構造改革や成長への投資の進捗を評価する上での基礎的な判断材料となります。