事業モデル
同社は農薬を主軸とする有機化学事業と、機能性色材や電子材料などを扱う無機化学事業の二本柱で構成される。有機化学事業では、除草剤や殺虫剤などの農薬を国内外へ展開し、特に海外市場での販売が大きな役割を担っている。
無機化学事業においては、酸化チタンの技術を基盤とした電子材料や機能性色材を展開しており、これらは情報化社会や自動車のEV化といった現代のニーズに対応している。また、研究開発活動を通じて新薬の創製や生産技術の向上を図り、独自の技術力を強みとしている。
KPI
当連結会計年度において、売上高は1,548億円(前年比97億円増)、営業利益は190億円(同85億円増)を達成した。この結果、営業利益率は前年度の7.2%から12.3%へと大幅に改善している。
また、ROEも前年度の7.6%から13%へと向上しており、経営目標である「Vision 2030」における高い収益性の確保に向けた進捗が見られる。財務面では、自己資本比率が53.7%まで上昇し、強固な財務基盤を構築している。
成長ドライバー
有機化学事業においては、成長戦略剤の海外展開が奏功しており、特に米州やアジアでの除草剤・殺虫剤の販売が伸長した。欧州市場においても天候要因に恵まれ、農薬の販売が好調に推移している。
無機化学事業では、電子材料の国内販売が大きく伸びており、機能性色材も国内外で堅調な推移を見せている。これらの成長に加え、AI創薬を含む最新技術の取り込みや、他社との戦略的な提携を通じた新製品の導入が将来の成長を支える要因となる。
リスク
農薬事業においては、世界的な法規制の強化に伴う登録の遅延や、承認の拒否による販売機会の減少がリスクとして挙げられる。これに対し、専門性の高い人員の確保やノウハウの継承により対応を強化している。
また、製造拠点が位置する地域での地震・津波による被害や、原材料の調達困難、サイバー攻撃による機密情報の漏洩といったリスクも特定されている。これらのリスクに対しては、設備の耐震化やサプライチェーンの多角化、セキュリティ対策の強化などの対策を講じている。
競合
同社は農薬分野において、独自の技術力を活用した製品開発とグローバルな販売網の構築により競争優位性を築いている。特に成長戦略剤においては、複数の国での登録取得や上市拡大を進めることで市場シェアの確保を図っている。
無機化学事業においても、酸化チタンで培った高度な技術をベースに、電子材料などの高付加価値製品を展開している。競合環境が厳しい中、生産構造の改革による効率化と品質・環境対応力の向上により、独自の立ち位置を確立している。
バリュエーション
2026年8月7日時点の市場データにおいて、同社の株価は3,155円となっている。この時の時価総額は約1135.0億円であり、PERは6.82倍と評価されている。
また、PBRは0.88倍となっており、配当利回りは4.38%を記録している。これらの数値は、同社の安定した収益性と強固な財務基盤を反映する指標となっている。
