事業モデル
同社は電子材料、生活環境基盤材料、機能材料、加工・商事・技術サービスの4つの主要セグメントを展開する多角的な事業構造を有しています。
特に電子材料事業では、半導体シリコンやフォトレジストなど、最先端のデバイスに不可欠な素材を提供しており、AI関連の活況を背景とした需要を取り込んでいます。また、生活環境基盤材料では塩化ビニル樹脂や苛性ソーダといった基礎的な化学製品をグローバルに展開しています。
機能材料事業ではシリコーンやセルロース誘導体などの高付加価値製品を展開し、加工・商事・技術サービス事業を通じて高度なエンジニアリングや商社機能を提供することで、多層的な事業展開を実現しています。
KPI
当連結会計年度の売上高は前年比0.5%増の2兆5,739億6千9百万円を記録し、堅調な事業規模を維持しています。
一方で営業利益は一部製品の市況下落の影響を受け14.4%減の6,352億4百万円となり、経常利益も13.7%減の7,082億8千1百万円となりました。当期純利益は前年比11.2%減の4,744億5千9百万円となっています。
財務指標では、自己資本比率が前年度の82.6%から78.7%へ低下したものの、1株当たり純資産額は2,400円39銭と増加しています。また、ROEは10.4%、DOEは4.4%となる見込みです。
成長ドライバー
成長の主要な原動力は、AI技術の進展に伴う半導体市場の拡大と、それに対応する最先端材料の開発・供給にあります。
特に電子材料事業においては、シリコンウエハーやフォトレジストなどの需要が伸びており、次世代に向けた薄膜SOIウエハー等の開発も積極的に推進しています。また、機能材料事業においても高機能製品の販売拡大により収益への寄与が進んでいます。
さらに、同社は「効率を極める」ことを経営方針に掲げ、環境負荷を抑えつつ生産性を向上させることで、持続的な成長を目指す姿勢を鮮明にしています。
リスク
事業構造上、海外売上高比率が79%と高く、為替相場の変動が業績に与える影響が大きいことがリスクとして挙げられています。
また、原材料の調達における供給の逼迫や価格上昇、さらには急速な技術革新への対応遅れによる競争力の低下も重要な懸念事項です。特にエレクトロニクス業界では技術進歩が速く、常に最先端の材料開発を継続する必要があります。
さらに、環境規制の強化に伴う追加的な設備投資や、地政学的リスクに起因するサプライチェーンの分断、自然災害による生産停止などの物理的リスクにも対応が必要です。
競合
同社は高度な素材技術と品質管理能力を武器に、世界市場において強固な地位を築いています。
特に半導体材料分野では、微細化や低消費電力化といった顧客の要求に対し、最先端のプロセスに対応する製品群を提供することで優位性を確保しています。他社との差別化要因として、長年の研究開発に基づく独自の技術力と品質へのこだわりが挙げられます。
また、多角的な事業展開により特定の市場動向による影響を分散しつつ、各分野で高い専門性を維持することで競争優位性を構築しています。
バリュエーション
2026年8月7日時点の市場データにおいて、同社の株価は6,116円となっています。
この時の時価総額は約10兆7,862億円であり、PERは22.99倍、PBRは2.37倍と算出されています。また、配当利回りは2.00%となっており、安定した還元姿勢を示しています。
これらの数値は、同社が持つ強固な事業基盤と将来の成長期待を反映した水準となっています。
