事業モデル
同社は「ライフサイエンス事業」と「電子材料事業」の2つの主要セグメントを展開しています。ライフサイエンス事業では、果実酸や有機酸を主軸に、食品分野での品質向上や工業分野での機能性向上に寄与する製品を提供しています。
電子材料事業では、半導体業界向けの高純度コロイダルシリカなどの研磨剤原料や、プラスチック・塗料向けの機能性化学品を取り扱っています。特に次世代半導体の微細化・高集積化に対応した高度な技術力が求められる分野で強みを持っています。
KPI
当連結会計年度の売上高は76,926百万円となり、前年比10.7%増を記録しました。営業利益は18,850百万円(同16.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,311百万円(同23.1%増)と、大幅な増益を達成しています。
セグメント別では、電子材料事業が売上高41,514百万円(前年比25.0%増)、営業利益15,926百万円(同20.9%増)と大きく成長しました。ライフサイエンス事業も、原材料価格の低下や海外子会社の寄与により、減収増益の推移を見せています。
成長ドライバー
電子材料事業においては、AI用途を中心とした半導体市場の需要拡大が強力な追い風となっています。特に主力製品である超高純度コロイダルシリカは、旺盛な需要に対し安定供給体制を強化することで販売数量を伸ばしています。
また、中長期的な成長に向けた「飛躍2030」では、2030年度に売上高120,000百万円を目指す野心的な目標を掲げています。研究開発面でも、2028年度の稼働開始を目指した事業融合型の新拠点設立など、シナジー創出に向けた投資を加速させています。
リスク
原材料調達において中国への依存度が高く、地政学的リスクや経済情勢の変化がコストや供給体制に影響を与える可能性があります。これに対し、調達先の分散化や仕入先との協力関係強化による早期対応体制の構築を進めています。
また、半導体業界特有の激しい技術革新や景気変動の影響を受けるリスクも抱えています。同社は、特定の分野への依存を避けるため、中空ナノシリカなどの他市場開湯や、高度な技術による製品開発を通じて、強固な経営基盤の構築に取り組んでいます。
競合
ライフサイエンス事業においては、食品・飲料向けだけでなく工業用分野でも広く展開しており、競合品との価格競争や市況変動の影響を受けます。これに対し、独自の付加価値を持つ「コート果実酸」などの開発により差別化を図っています。
電子材料事業では、半導体研磨分野で培った高度な技術を基盤としています。次世代の微細・高集積化に対応する製品供給体制を構築することで、急速な技術革新が進む市場において優位性を確保し、他領域への展開も進めています。
バリュエーション
最新の市場データに基づくと、同社の株価は4,560円となっており、時価総額は約4824.3億円です。PERは33.68倍、PBRは4.12倍と算出されています。
配当利回りは0.61%となっており、成長期待を反映した評価となっています。これらの数値は、同社が掲げる「飛躍2030」に向けた投資や、半導体市場の成長を取り込む戦略を反映しているものと考えられます。