事業モデル

同社は「メルカリ」というCtoCマーケットプレイスを中核とし、個人間での中古品売買における利便性と安心性の提供に注力しています。独自のネットワーク効果により高いロイヤルティを獲得しており、出品者と購入者の双方が参加するエコシステムを構築しています。

さらに、決済サービス「メルペイ」や暗号資産取引「メルコイン」、そして新設の求人プラットフォーム「メルカリ ハロ」など、多角的な事業展開を行っています。これらのサービスは共通のユーザー基盤を活用することで、単なる中古品売買を超えた価値循環を目指しています。

KPI

国内におけるマーケットプレイス部門の流通取引総額(GMV)は、前年同期比4%増の1兆1,209億円に達し、堅調な推移を見せています。同期間のMAUは2,300万人を超えており、強固なユーザー基盤を証明する数値となっています。

Fintech分野では、独自のAI与信を活用した「メルカード」が500万枚を突破し、成長とリスク管理の両立を実現しています。また、米国事業においてもコスト構造の改善により、2025年6月期において黒字化を達成する見通しとなっています。

成長ドライバー

AIおよびLLMを活用したUI/UXの刷新や、高度なプロダクト施策が成長の主要な原動力となっています。特に「メルカリ ハロ」は、深刻な人手不足という社会課題に対応するスポットワーク領域として、登録者数が順調に伸長しています。

また、決済事業における債権残高の積み上がりと、それに伴う収益性の向上が成長を支えています。国内の「メルカード ゴールド」の提供開始など、より高度な金融サービスへの展開が今後のさらなる成長に向けた重要な施策となります。

リスク

中古品市場やEコマース、スポットワークといった主要事業領域において、法規制の動向や景気動向の変化による影響を受ける可能性があります。特に競合他社の参入や、より有利な条件を提示するサービスの出現は、ユーザー離れや手数料水準の低下を招くリスクとなります。

また、決済・金融関連事業においては、資金決済法や割賦販売法など複数の法的規制に準拠した運営が求められます。海外展開における規制対応も継続的な課題であり、これらの動向を正確に予測することは困難な側面を含んでいます。

競合

CtoCマーケットプレイス分野では、多くの企業が参入しており、商品カテゴリーやサービス形態の多様化により競争環境は厳しさを増しています。特に近年急成長するスポットワーク市場においても、競合他社との差別化が求められる状況にあります。

決済・金融関連事業についても、複数の競合他社が存在する中で、独自のAI与信などの技術的優位性をいかに活用できるかが鍵となります。同社は強固なユーザー基盤とデータ活用能力を武器に、これらの競争環境における優位性の確保に取り組んでいます。

バリュエーション

2026年8月7日時点の市場データにおいて、同社の株価は5,030円となっています。この時の時価総額は約8310.6億円と算出されています。

同銘柄のPERは28.98倍、PBRは6.91倍となっており、成長期待を反映した評価となっています。投資判断にあたっては、これらの指標とともに事業の多角化による収益性の向上を注視する必要があります。