事業モデル
同社は松から得られるロジンや脂肪酸などのパインケミカルを核とした樹脂・化成品事業を基盤としています。この技術を応用し、塗料用樹脂や印刷インキ用樹脂、合成ゴム用乳化剤など多岐にわたる製品を展開しています。
さらに、製紙用薬品事業では紙力増強剤やサイズ剤などを提供し、電子材料事業では半導体向け機能性樹脂やはんだ付け材料などの高付加価値な製品を製造・販売しています。また、海外拠点を有するローター社を通じてグローバルな展開も行っています。
KPI
当連結会計年度の売上高は1,010億6百万円に達し、過去最高を更新しました。このうち、樹脂・化成品事業は210億8千8百万円、製紙用薬品事業は279億2千4百万円、電子材料事業は132億9千9百万円の売上を計上しています。
利益面では、営業利益が20億8千3百万円となり、前年度の赤字から黒字に転換しました。当期純利益も7億6千3百万円となり、原材料価格の高騰に対する販売価格への転嫁やコスト削減策が奏功した結果とみられます。
成長ドライバー
成長戦略として、需要拡大が見込まれる半導体市場における機能性樹脂の増産体制整備を推進しています。また、リチウムイオン二次電池やライフサイエンスといった先端技術分野への研究開発も積極的に進めています。
さらに、DX認定事業者に選定されるなどデジタル技術を活用した生産・研究の効率化にも取り組んでいます。これらの取り組みにより、既存のパインケミカル分野での収益力底上げと、新領域における成長の両立を目指しています。
リスク
原材料となるロジンや石油化学製品の調達において、市況による価格変動やサプライチェーンの混乱が経営に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、仕入れ先の分散など供給網の冗長化を進めることでリスクの低減を図っています。
また、為替レートの変動や各国の公的規制、さらには生産活動における事故や情報セキュリティに関するリスクも特定されています。特に海外展開を強化する中で、各国法規制への適応や高度な安全管理体制の構築が重要な課題となっています。
競合
同社はパインケミカル分野において独自の技術力を有しており、強固な顧客基盤と製品ノウハウを蓄積しています。特に製紙用薬品や電子材料といった専門性の高い分野では、特定の用途に向けた高度な機能提供を通じて市場での地位を確立しています。
競合環境においては、原材料価格の変動や世界的な経済動向の影響を受けやすい構造にありますが、製品の多角化と高付加価値化を進めることで対応しています。特に半導体向け材料など成長性の高い分野では、技術優位性を活かした競争力の強化を図っています。
バリュエーション
2026年8月7日時点の株価は1,110円であり、同日の時価総額は約269.8億円となっています。この時点でのPERは11.49倍、PBRは0.65倍と算出されています。
また、同日のデータに基づく配当利回りは3.78%となっており、安定した収益基盤を背景とした評価が反映されています。
