事業モデル

同社は独自の機械学習サイクルを備えた「迷惑情報データベース」を中核基盤として、セキュリティ事業とソリューション事業を展開しています。このデータベースは年間50億件以上の通信データを判定しており、高い精度で迷惑電話やSMSを識別する技術を有しています。

セキュリティ事業では、通信キャリアや金融機関と連携し、個人向け・法人向けのフィルタリングサービスを提供しています。ソリューション事業では、オフィス電話の効率化やカスタマーハラスメント対策を目的とした「トビラフォン Cloud」および「トビラフォン Biz」を展開しており、多角的なアプローチで収益基盤を構築しています。

KPI

当事業年度における売上高は2,805,366千円となり、前年同期比で16.6%の成長を記録しました。営業利益は898,744千円(同8.1%増)、経常利益は907,160千円(同9.4%増)と、堅調な推移を見せています。

セグメント別では、セキュリティ事業の売上高が1,905,409千円、ソリューション事業の売上高が899,956千円となりました。特にソリューション事業は前年同期比で60.1%の増収を達成しており、成長の加速が見て取れます。

成長ドライバー

中期経営計画2028において、トビラフォン CloudおよびBizの販売加速、通信キャリア向け販売の拡充、新規事業の創出を重点施策として掲げています。特に法人向けソリューションでは、NTTグループ等の主要なプラットフォームへの組み込みを通じて販路を拡大しています。

また、独自の知見を活用した「サギトレ」などの新サービスリリースや、広告ブロック機能の強化など、技術革新を通じた価値提供の高度化も成長の源泉です。これらの施策により、2028年10月期に向けた売上高60億円、営業利益17億円の目標達成を目指しています。

リスク

主要なリスクとして、国内大手通信キャリアへの高い売上依存度が挙げられており、契約条件の変更や更新の見送りが事業に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、同社は複数キャリアとの連携強化や、非依存のソリューション事業の拡大によってリスク分散を図っています。

また、AI技術の進化によるサービスの陳腐化や、他業界・海外企業からの参入による競争激化も課題として認識されています。これらのリスクに対しては、優秀なエンジニアの確保や独自のデータ蓄積による参入障壁の構築、および強固なアライアンス体制の維持によって対応を試みています。

競合

同社は迷惑電話フィルタリング市場において高いシェアを有しており、独自に収集・解析する膨大なデータベースが競争優位性の源泉となっています。警察や公的機関との連携を通じて得られる情報の信頼性は、競合他社に対する重要な参入障壁として機能しています。

一方で、技術革新の速さや他業界からの参入による競争激化のリスクも存在します。同社はこれに対し、独自のアルゴリズムによる高度な判定精度と、通信キャリアとの強固な関係性を武器に、市場における優位性の維持・拡大を図る戦略をとっています。

バリュエーション

最新の市場データにおいて、当社の株価は1,417円となっており、時価総額は約145.4億円です。PERは23.63倍、PBRは5.03倍と算出されています。

配当利回りは1.43%となっており、成長投資と安定的な収益基盤の構築を両立するフェーズにあります。これらの指標は、同社が持つ独自の技術基盤と将来の成長期待を反映した水準となっています。