事業モデル
同社は界面制御技術を核に、生活・健康、石油・輸送機、プラスチック・繊維、情報・電気電子、環境・住設など多岐にわたる産業向け化学製品を提供しています。独自の技術力を背景に、機能性のある高付加価値な材料や中間体を製造・販売する体制を構築しています。
2026年5月より「コアマテリアル」「ウェルネス」「ICT」の3つの報告セグメントへ移行し、事業ポートフォリオの高度化を進めています。特にナフサ等の石化原料への依存度が低く、独自の価値を提供できる領域へのシフトを加速させています。
KPI
当連結会計年度の売上高は1,278億5千9百万円となり、前年比で10.1%の減収となりました。これは高吸水性樹脂事業からの撤退や、安価な中国製品との競争激化といった外部環境の影響を受けた結果と分析されています。
一方で利益面では、事業構造改革による効率化や半導体分野の好調により、営業利益は100億7百万円(前年比18.6%増)、経常利益は122億5千6百万円(同26.7%増)と伸長しました。当期純利益は、子会社の吸収合併に伴う税務上の処理等により、前年比276.6%増の156億3千7百万円を計上しています。
成長ドライバー
「中期経営計画2030」において、独自の界面制御技術とDXプラットフォームを融合させ、顧客課題を迅速に解決する体制への変革を推進しています。特にウェルネスやICTといった高付加価値領域へのシフトにより、外部環境の変化に強い収益構造の構築を目指します。
研究開発活動も活発であり、全社員の約5分の1にあたる351名が従事し、年間5,275百万円を投じています。アグリ分野での新製品展開や宇宙分野への技術提供など、既存事業の深化と新規領域の開拓の両面で成長機会を追求しています。
リスク
原材料価格の高騰や供給不安といった中東情勢の影響に加え、中国からの安価な製品流入による競争激化が主要なリスクとして挙げられています。特に石油化学分野では、事業環境の不可逆的な変化に対応するための構造改革が急務となっています。
また、大規模地震やサイバー攻撃、火災・爆発といった物理的・技術的なリスクへの備えも強化されています。これらに対し、リスクマネジメント委員会を新設し、全社横断的な体制で事業継続計画(BCP)の策定やセキュリティ対策の徹底に取り組んでいます。
競合
同社は化学業界において、汎用品から独自の価値を提供できる高付加価値製品への転換を進めることで競争優位性を確立しようとしています。特に中国製品との価格競争が激化する環境下で、技術的な差別化によるポジションの確保を重視しています。
事業構造の変革を通じて、原材料価格や供給制約の影響を受けにくいポートフォリオへの再編を図っています。この戦略により、競合他社と比較して強固な収益基盤を構築し、持続的な成長を目指す方針です。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は4,975円(2026-06-24時点)となっており、時価総額は約1,100.5億円です。PERは7.04倍、PBRは0.69倍と算出されており、割安な水準で評価されています。
配当利回りは3.57%となっており、安定した還元姿勢が見て取れます。これらの指標は、同社が取り組む事業構造の変革や高付加価値製品へのシフトによる将来的な成長期待を反映する基礎となります。