事業モデル

同社は「ヘルスビッグデータ」と「遠隔医療」の2つの主要セグメントを展開しています。ヘルスビッグデータ事業では、製薬企業や保険会社向けに匿名化された疫学データを提供し、アドホック販売やコンサルティングを通じて付加価値を高めています。

遠隔医療事業では、国内最大規模の放射線診断専門医プラットフォームを運営しており、医療機関と読影医をマッチングするサービスを提供しています。また、AIエンジンプラットフォーム「AI-RAD」の開発や、高度な分析環境の提供を通じて、医療現場の効率化と質の向上を支援する体制を構築しています。

KPI

当連結会計年度において、ヘルスビッグデータセグメントは売上収益が前年比23.6%増の44,070百万円に達しました。同セグメントの利益も22.7%増加しており、強固な成長基盤を示しています。

遠隔医療セグメントの売上収益は前年同期比で4.5%増の6,392百万円となり、安定した推移を見せています。全社としてのEBITDAマージンは26.1%を確保しており、効率的な事業運営が継続されていることが示唆されます。

成長ドライバー

成長の源泉は、ヘルスビッグデータの「高付加価値化」と「データ種類の拡充」にあります。単なるデータ販売から、分析環境の提供やコンサルティングへの移行により、顧客あたりの取引額を最大化する戦略を推進しています。

また、健康情報プラットフォーム「Pep Up」を通じたPHRサービスの拡大や、AI技術を用いた診断アシストエンジンの開発も重要な成長因子です。さらに、提携先との連携による「健康経営アライアンス」の拡大など、多角的なアプローチで市場シェアの拡大を図っています。

リスク

事業運営における主要なリスクとして、個人情報の漏洩やシステムトラブルへの対応が挙げられます。特に高度なセキュリティ対策を講じているものの、人為的過誤やサイバー攻撃による情報流出は、企業の信頼性と業績に重大な影響を与える可能性があります。

また、遠隔医療における読影医の質や不法行為に関するリスクも特定されています。さらに、ヘルスビッグデータ事業においては、特定の時期に需要が集中する季節的な売上・利益の偏りがあるため、安定した収益構造を維持するための管理体制が重要となります。

競合

同社は国内最大規模の放射線診断専門医プラットフォームを有しており、高度なマッチング技術と独自の品質管理体制で優位性を築いています。競合他社との競争においては、資本力や技術開発力の差が影響を及ぼす可能性があるものの、強固な顧客基盤が参入障壁となっています。

ヘルスビッグデータ分野においても、独自に構築した大規模な匿名加工データと、それを活用するための高度な分析環境を提供することで差別化を図っています。競合他社による安価な代替サービスの提供や技術の模倣に対し、継続的な研究開発投資を通じて優位性を維持する方針です。

バリュエーション

最新の市場データに基づくと、同社の株価は3,275円となっており、時価総額は約1763.6億円です。PERは26.28倍、PBRは2.11倍と算出されています。

配当利回りは0.66%となっており、成長期待を織り込んだ評価となっています。これらの数値は、同社が保有する独自のデータ資産と高度なICT技術の価値を反映した市場の評価を反映しています。