事業モデル

同社は「AI inside X」というビジョンのもと、ディープラーニングを用いた手書き文字認識技術を核とするAI-OCRサービス「DX Suite」を提供しています。このサービスは、企業が外部委託するデータ入力業務の自動化・高度化を支援しており、すでに98億回を超える読取り実績を有しています。

提供形態には、継続的に収益が計上されるリカーリング型モデルと、取引ごとに発生するセリング型モデルの両方が含まれます。また、自社開発のハードウェア「AI inside Cube」を活用することで、プライバシー保護を重視する公共団体などへの導入拡大も実現しています。

KPI

同社はリカーリング型売上の成長を最重要指標として掲げており、そのための主要な指標として契約件数やチャーンレート(解約率)を設定しています。また、AIファンクションのリクエスト数も重要な指標として捉えています。

最新の事業年度において、リカーリング型モデルは4,487,817千円を計上しており、前年同期比で107.1%と堅調な推移を見せています。一方でセリング型モデルも260,129千円(前年同期比123.4%)に達しており、両モデルの相乗効果による成長を追求しています。

成長ドライバー

国内の生産年齢人口が減少する中、労働力不足を補うためのDX推進は加速しており、同社のAI技術に対する需要は今後も拡大すると予測されます。特に「DX Suite」やマルチモーダルAI統合基盤「AnyData」といった主力製品への投資が成長を支えています。

また、パートナー企業との連携強化によりリカーリング型売上の比率を高める戦略をとっており、より広範な顧客基盤の構築を目指しています。さらに、政府によるAI人材育成の推進や、生成AI開発支援プログラム「GENIAC」への参画を通じた技術革新も成長を後押しする要因となります。

リスク

急速な技術革新のスピードに対し、研究開発が遅れた場合には競争力が低下し、事業環境が悪化するリスクが存在します。また、システムトラブルやサイバー攻撃によるサービス停止、あるいは個人情報の漏えい等による信頼失墜のリスクも認識されています。

さらに、競合他社の参入による市場の競争激化や、将来的な法的規制の変更が事業展開に制約を与える可能性も含まれています。これらのリスクに対し、同社はセキュリティ体制の強化や継続的な基礎・応用研究への投資を通じて対応を図る方針です。

競合

AI分野は国内外の事業者が参入する競争の激しい市場であり、技術革新のスピードが極めて速いという特徴があります。同社は独自のノウハウや保有特許、豊富な導入実績によって他社に対する優位性を確保していると認識しています。

競合との差別化を維持するため、先行して事業を推進し、市場内での地位を早期に確立する戦略をとっています。また、単一の技術提供にとどまらず、複数の技術やサービスを統合した付加価値の高い複合AIソリューションを提供することで、競争優位性を高めています。

バリュエーション

最新の市場データにおいて、同社の株価は2,250円となっており、時価総額は約79.2億円です。PERは22.53倍、PBRは1.60倍と算出されています。

これらの数値は、成長期待の高いAI関連銘柄としての位置付けを反映しています。同社はリカーリング型モデルへの移行を進めることで、中長期的な収益の安定性と企業価値の向上を目指すフェーズにあります。