事業モデル

医薬品事業を主軸とし、日本国内および中国を含むグローバルなネットワークで漢方・生薬製品の製造・販売を展開しています。原料生薬の調達から加工、製剤の製造までを一貫して管理する体制を構築しており、特に中国における拠点は輸入規制への対応や供給安定化に寄与しています。

国内では医療用漢方製剤を中心に展開し、海外では中薬の販売や研究開発体制の確立を進めています。また、生薬の栽培・調達において自社管理圃場の拡大や生産技術の改良を行い、原料の安定確保と品質向上を追求する独自のバリューチェーンを構築しています。

KPI

当連結会計年度の売上高は前年比6.4%増の192,615百万円に達しました。一方で営業利益は35,219百万円(同12.2%減)、経常利益は40,036百万円(同5.7%減)となっており、売上原価率が前年比2.5ポイント上昇したことが影響しています。

経営指標として、2031年度に向けた目標としてROE 10%、自己資本比率50%以上、配当利回り(DOE)5%を目指す方針を掲げています。これらを通じて、収益力の向上と強固な財務基盤の構築の両立を図る計画です。

成長ドライバー

漢方治療の標準化に向けたエビデンスの蓄積とプロモーションの強化が成長の柱となります。特に高齢者やがん領域、女性関連領域を重点とし、診療ガイドラインへの収載や推奨度の向上を目指すことで、医療現場での処方拡大を図っています。

また、AIを活用した漢方診断サポートシステムの開発や、未病の科学化に向けたバイオマーカーの研究など、テクノロジーと科学を融合させた価値創造に取り組んでいます。さらに、中国における中成薬事業への参入やDXによるオペレーション効率化も成長を支える重要な要素です。

リスク

原料生薬の多くを天然物に依存しているため、天候不順や自然災害による調達困難、および価格高騰が製品供給と業績に影響を与えるリスクがあります。これに対し、国内生産量の拡大や中国での製造拠点分散、在庫確保などの対策を講じています。

また、医療制度の変革に伴う薬価引き下げ政策の強化や、医薬品に関する国内外の規制厳格化も重要なリスク要因です。これらの影響を最小限に抑えるため、漢方製剤の価値に対する理解の醸成や、独自の品質管理体制「ツムラクオリティャルチャー」による信頼性の確保に注力しています。

競合

同社は、国内における医療用漢方製剤の主要な提供者として、高い認知度と強固な供給体制を構築しています。競合環境においては、薬価制度の動向や他社との差別化要因となるエビデンスの有無が重要な要素となります。

特に、独自の品質管理基準に基づいた「ツムラクオリティャルチャー」の徹底や、生薬の栽培から加工までを垂直統合的に管理する体制が強みです。これらの取り組みにより、医療現場における信頼を獲得し、他社との差別化と市場での優位性を確保することを目指しています。

バリュエーション

2026年8月7日時点の株価は3,771円であり、同日の時価総額は約2811.1億円となっています。この時点におけるPERは10.02倍、PBRは0.87倍と算出されています。

また、同日時点での配当利回りは4.19%となっており、安定した還元姿勢を示しています。これらの指標は、同社が掲げる資本政策の基本方針である「ROEの向上」や「長期的な配当拡充」に向けた経営戦略の一環として評価される要素となります。