事業モデル

同社は塗料関連事業と自動車製品関連事業の二つの柱で構成される事業を展開しています。塗料関連事業では、建築・構築物用塗料や工業用塗料、航空機用塗料などの製造・販売および工事請負を行っています。

自動車製品関連事業では、自動車用防音材(制振材、吸・遮音材)や防錆塗料といった重要部品の製造・販売に注力しています。これらの事業は、高度な技術力を基盤とした高付加価値製品の開発と、国内外における強固な供給体制によって支えられています。

KPI

当連結会計年度の売上高は618億8千9百万円となり、前年同期比で6.3%の減収となりました。このうち自動車製品関連事業は425億6千1百万円と堅調な推移を見せましたが、塗料関連事業は193億1千1百万円に留まりました。

利益面では、営業利益が40億4百万円(前年同期比10.1%減)となる一方で、持分法による投資利益の増加等により経常利益は68億3千4百万円と伸長しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産や投資有価証券の売却益が寄与し、52億4千4百万円(前年同期比6.1%増)を計上しています。

成長ドライバー

中期経営計画では「変革と挑戦」をテーマに掲げ、2030年3月期に向けた売上高800億円、ROE10.0%以上の達成を目指しています。特に自動車分野では、EV化や自動運転といったモビリティ革命への対応を見据え、軽量化や快適性向上などの新技術開発を推進しています。

塗料分野においては、環境対応型塗料や省エネに寄与する製品の拡販に注力しており、2050年までのカーボンニュートラル実現に向けた戦略的な投資を行っています。また、航空機用塗料など高付加価値な領域での新製品投入により、中長期的な成長と収益基盤の強化を図る方針です。

リスク

原材料やエネルギー価格の高騰、およびサプライチェーンの不安定化といった外部環境の変化が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。特に地政学的な緊張によるコスト増は、事業運営における重要なリスク要因として認識されています。

また、気候変動への対応やカーボンニュートラルに向けた規制強化に対し、適切なガバナンス体制の構築と技術革新が求められています。さらに、少子高齢化に伴う人財確保の困難さや、サイバー攻撃による情報漏洩といった経営基盤に関わるリスクにも継続的な対策を講じています。

競合

塗料市場においては、国内の人口減少による需要縮小や、他社との熾烈な製品差別化競争に直面しています。同社はこれに対し、航空機用塗料で培った高度な技術力を武器に、環境対応型や省エネ型の高付加価値製品を展開することで優位性を確保する戦略をとっています。

自動車部品市場では、グローバルな競争環境の変化や新興EVメーカーの台頭といった構造的な変化が起きています。同社は、国内外のパートナーとの連携強化と生産体制の効率化・合理化を進めることで、複雑化するサプライチェーンの中で強固なポジションを築くことを目指しています。

バリュエーション

2026年8月7日時点の株価は2,529円であり、同日の市場データに基づく時価総額は約538.5億円です。この水準におけるPERは10.44倍、PBRは0.89倍と算出されています。

また、同期間の配当利回りは5.93%となっており、安定した収益基盤を背景とした株主還元の高さが示されています。これらの指標は、2026年8月8日に更新された最新の市場データに基づいた数値です。