事業モデル
同社は「未上場企業エクイティプラットフォーム事業」を展開しており、プライマリー、グロース、セカンダリーの3領域でリスクマネーの循環サイクルを構築しています。特にプライマリー領域では、投資家からスタートアップへの資金供給を行う「FUNDINNO」と、特定投資家向けに大型資金調達を支援する「FUNDINNO PLUS+」を提供しています。
これらのサービスは、アーリーステージからレイターステージまで幅広い企業のニーズに対応しており、2025年10月期における営業収益の88.5%をプライマリー領域が占めています。投資家には未上場株式への投資機会を提供し、スタートアップには資金調達とファン層の獲得という価値を提供することで、独自のプラットフォームとしての地位を確立しています。
KPI
同社は「FUNDINNO PLUS+」における特定投資家の増加を重要なKPIとして掲げており、当連結会計年度において特定投資家は611名増加し、累計で1,622名となりました。この投資家層の拡大は、より高度な資金調達スキームへの対応と、将来的なセカンダリー市場の流動性向上に向けた重要な基盤となります。
また、事業成長の指標としてGMV(流通取引総額)を重視しており、当連結会計年度におけるGMVは129.5億円に達しました。特に「FUNDINNO PLUS+」を活用した大型資金調達支援への注力が、プライマリー領域における成約金額の積み上げに寄与しています。
成長ドライバー
政府による「スタートアップ育成5か年計画」や、2030年からの東証グロース市場の上場維持基準厳格化といった政策的な追い風が成長を後押しする環境にあります。これらの要因により、上場準備期間の長期化に伴う追加資金調達ニーズや、未上場株式の流動性確保に対する需要が高まると予測されています。
さらに、特定投資家向けの販売チャネル拡大や、ベンチャーキャピタル・金融機関等との連携による発行体営業の強化も成長を牽引する要因です。特に「FUNDINNO PLUS+」を通じた大型案件の獲得と、異業種とのパートナーシップ構築により、安定的な事業拡大を目指す方針です。
リスク
未上場株式は一般に換金性が低く、投資家が想定した損失が発生した場合にトラブルや損害賠償請求につながるリスクがあるため、厳格な審査体制の構築と情報提供の徹底を行っています。また、経済環境の悪化による投資意欲の減退に対し、異なる特性を持つ複数のサービスを展開することで、市場の変化に応じたマッチングを行うことで対応しています。
技術革新のスピードが速いインターネット環境下での事業展開において、競合優位性を維持するための継続的なシステム開発投資も重要な課題です。同社は専門組織による情報収集やスタートアップとの連携を通じて、最新技術への適応と競争力の維持に努める体制を整えています。
競合
未上場企業への株式投資市場において、大手証券会社の参入や多様な間接的な投資機会の提供など、競合環境の変化が加速しています。しかし、同社は2015年の設立以来、金融商品取引業等のライセンス取得やシステム開発、審査プロセスの構築を通じて一定の先行優位性を確立していると認識しています。
特に「FUNDINNO」による草の根のファン獲得と、「FUNDINNO PLUS+」による特定投資家向けの高度なスキーム提供という二段構えの戦略が強みです。独自のプラットフォームとしての参入障壁を構築することで、競合他社と比較した際の優位性を維持しつつ、市場シェアの拡大を目指しています。
バリュエーション
2025年10月期における当連結会計年度の業績は、営業収益が前年同期比111.1%増の2,501,057千円となり、純営業収益は160.1%増の2,259,719千円に達しました。この好調な推移により、当期は営業利益213,722千円(前年は損失)、経常利益211,363千円(前年は損失)を計上しています。
同社は成長に向けた投資を継続しており、当連結会計年度末の総資産は5,426,528千円となりました。良好な業績と将来の見通しに基づき、繰延税金資産の評価を見直すなど、強固な財務基盤の構築を進めています。
