事業モデル

同社はデジタルワークプレイス、プロフェッショナルプリント、インダストリー、画像ソリューションの4事業を展開しています。各事業において、複合機や産業用印刷システム、計測機器、医療用画像診断装置などの開発・製造・販売を行っています。

これらの事業は、材料、光学、画像、微細加工という4つのコア技術を基盤としています。近年ではこれらへのAI技術の融合により、独自の価値提供と顧客課題の解決を目指す体制を構築しています。

KPI

当連結会計年度の売上高は1兆877億円となり、前期比3.6%減となりました。一方で事業貢献利益は531億円と、前年同期比で66.6%の大幅な増加を記録しています。

この増益の背景には、グローバル構造改革や事業の選択と集中による販売費および一般管理費率の改善があります。また、売上総利益率は前期比で1.5ポイント改善しており、収益力の回復が進んでいます。

成長ドライバー

インダストリー事業において、材料・コンポーネントユニットが成長を牽引しています。特に機能性フィルムや産業用インクジェットヘッドなどの技術は、次世代の市場ニーズに対応する重要な要素です。

また、AI技術とコア技術を融合させた「見えないものをみえる化する」取り組みや、再生プラスチックの高度化による循環型社会への貢献など、持続的な成長に向けた技術開発への投資を強化しています。

リスク

地政学リスクに起因する国際物流情勢や、経済安全保障に関連する法規制の動向が重要な経営リスクとして特定されています。特に米国との貿易摩擦や、各国の輸出管理体制への対応が求められる環境にあります。

為替レートの変動も大きな影響要因の一つです。ユーロや人民円の円安による利益押し上げ効果がある一方で、米ドルの動向は調達・製造コストを通じて収益を圧迫する可能性があるため、ヘッジを含む管理体制を敷いています。

競合

同社は独自の4つのコア技術(材料、光学、画像、微細加工)を高度に融合させることで競争優位性を構築しています。特にインダストリー領域やヘルスケア領域において、高い専門性を有する「エキスパート」と「DX人財」の活用による変革を進めています。

競合他社に対し、単なる機器販売に留まらず、ITサービスやソリューションを統合した提供体制を強化しています。また、再生プラスチックなどの環境対応技術も、差別化要因として重要視されています。

バリュエーション

2026年8月7日時点の株価は658.5円となっており、同日の市場データに基づくPERは10.13倍です。PBRは0.59倍と算出されており、配当利回りは2.73%を記録しています。

これらの指標は、同社が中期経営計画を通じて収益力の回復と構造改革を進める過程にあることを示唆しています。