事業モデル

同社は土木工事と建築工事の二つの主要事業を展開しており、それぞれ異なる市場特性を活かした経営を行っています。土木工事では官公庁発注の社会インフラ整備を中心に、ダムや道路、トンネルなどの大規模案件を手掛けています。

一方、建築工事事業では民間企業向けの共同住宅や公共施設などを中心に受注しています。両事業を展開することで、景気変動の影響を受けにくい公共工事と、投資意欲に左右されるものの規模の大きい民間工事を組み合わせた安定的な経営体制を構築しています。

KPI

土木工事事業における営業利益率は10.9%と高く、強固な収益基盤を形成しています。これに対し建築工事事業は、受注件数は多いものの営業利益率は△0.9%となっており、セグメント間で収益構造に差異が見られます。

また、同社の技術力の裏付けとして、従業員に対する監理技術者資格者証の保有率が49.1%と、全国平均の約25%を大きく上回る水準を維持しています。さらに、5,000万円以上の工事における元請比率は100%であり、高い施工能力に基づいた良好な取引関係を構築しています。

成長ドライバー

中期経営計画「NOVAC VISION」のもと、DXの推進やICT技術の活用による生産性向上、施工の効率化に取り組んでいます。これらの取り組みにより、人財の確保・育成と事業および収益基盤の安定化を目指しています。

また、連結子会社である株式会社TOMTENとの連携を通じて、建設需要の新たな開拓やさらなる業容拡大に向けたシナジー効果の創出を推進しています。ブランディングによる知名度向上や働き方改革を通じた労働環境の改善も、持続的な成長に向けた重要な施策として位置づけられています。

リスク

建設業界特有の課題として、資材価格の高騰や労務単価の上昇がコストを圧迫するリスクが存在します。これに対し同社は、早期の発注や新規取引先の開拓を通じて価格変動の影響を抑制する体制を整えています。

また、深刻な人手不足による技術者の確保難や、施工物の瑕疵、建設活動に伴う事故などのリスクも認識されています。これらのリスクに対しては、品質管理の徹底、安全教育の強化、および労働環境の改善を通じた人材確保の推進により、多角的な対策を講じています。

競合

同社は土木工事において、官公庁や高速道路会社といった公共性の高い案件を主軸としており、強固な技術力を背景に安定した受注基盤を有しています。特にシールド工事やダム工事など、高度な専門性が求められる分野での実績が強みです。

建築工事においては、民間企業からの信頼を獲得するためのきめ細やかな提案活動を展開しています。競合他社と比較しても、高い元請比率と資格保有者の多さが、高品質な施工体制を支える独自の優位性として機能していると考えられます。

バリュエーション

最新の市場データにおいて、同社の株価は2,796円となっています。建設業という実体経済に根ざした事業構造を持ち、安定的な受注基盤と高い技術力を有する企業体です。

投資判断にあたっては、土木工事における高水準な利益率と、建築工事を含む多角的な事業展開によるリスク分散のバランスを評価する必要があります。今後、DX推進や子会社とのシナジー創出が、中長期的な企業価値向上にどの程度寄与するかが注目されます。