事業モデル

同社は「事業の成長を人の数で解決しない」という理念のもと、企業内のワークフローを可視化・標準化・自動化するDX支援を展開しています。特にフロントオフィス領域に焦点を当て、B2Bマーケティング向けの「ferret One」とフォーム管理の「formrun」の2つの主要プロダクトを軸としています。

これらのサービスは、単なるツールの提供にとどまらず、プロフェッショナルサービスを組み合わせることで顧客の自走化を支援する仕組みを提供しています。サブスクリプション型の料金体系を採用しており、ベンチャーから大企業まで幅広い層をターゲットに、業務効率と生産性の向上を実現しています。

KPI

当事業年度において、売上高は前年同期比24.93%増の2,275,636千円に達し、大幅な成長を記録しました。このうちサブスクリプション型サービスが1,746,746千円、ソリューション型サービスが528,890千円となっており、安定した収益基盤の構築が進んでいます。

経営成績面では、営業利益が270,468千円(前年は赤字)、当期純利益も344,961千円となり、黒字化を達成しています。特に「ferret One」では顧客単価の改善が見られ、「formrun」においても有料顧客数が堅調に推移しており、主要なKPIが良好な推移を見せています。

成長ドライバー

成長の源泉は、労働力人口の減少という構造的な社会課題を背景とした、企業によるDX投資の拡大にあります。特にAIやノーコード技術の進化により、人手に頼らない業務自動化への需要が世界的に高まっており、同社はこの潮流を追い風としています。

今後の成長戦略として、既存プロダクトの高度化に加え、2026年1月までにリリース予定の「workrun」や「AIBOW」といった新規プロダクトの開発を進めています。これらは既存サービスとの親和性を持ちつつ、より高度なワークフロー構築やAIプラットフォームとしての価値提供を目指すものです。

リスク

主なリスクとして、競合他社の参入による競争環境の激化や、技術革新のスピードに対する対応の遅れが挙げられます。特に生成AI分野では、法的・制度的な不確実性や著作権等の課題があり、適切なガバナンス体制の構築が求められています。

また、売上高が「ferret One」と「formrun」の2つのプロダクトに大きく依存している構造もリスク要因として認識されています。これに対し、同社はフロントからバックオフィスまでを網羅するワークフロー全体の最適化を進めることで、特定サービスへの過度な依存を分散し、競争力の向上を図る方針です。

競合

同社の強みは、単一機能の提供ではなく、業務プロセス全体を統合・最適化する「ワークフロー」としての価値提供にあります。特にB2Bマーケティング領域において、ノーコードで運用可能なCMSやMA機能を備えた独自のプラットフォームを提供することで差別化を図っています。

競合他社との競争に対しては、機能の拡充や利便性の向上に加え、ブランド認知の拡大を通じて優位性を維持する方針です。また、高度なワークフロー構築を可能にするAI技術の取り込みにより、単なるツール提供を超えた「AX(AI Transformation)」への移行を進めることで、競合との差別化を強化しています。

バリュエーション

2025年1月1日から2025年12月31日までの当事業年度において、売上高は前年同期比で約24.9%の成長を見せました。同期間におけるサブスクリプション型サービスの割合は高く、安定した収益構造を構築していることが示唆されます。

投資活動としては、無形固定資産の取得に36,974千円を支出しており、将来に向けた技術基盤への投資を行っています。財務面では長期借入金の返済を進めており、当事業年度末における現金及び現金同等物は586,515千円となっています。