事業モデル

同社はコンクリート二次製品、コンクリートパイル、防災製品、トンネルセグメント製品など、社会資本や生活インフラの整備に不可欠な製品の製造・販売および施工を一貫して展開しています。特にコンクリート事業では、マンホールやヒューム管などの基礎的な製品から、近年重要視される浸水対策用の耐震対応型ボックスカルバートといった高付加価値製品まで幅広く取り扱っています。

また、セグメント事業においてはトンネルセグメント製品の提供を行っており、2025年10月付で株式会社IKKを子会社化したことで新たな成長軸として位置づけています。その他事業ではセラミックス製品や油圧関連ホースの販売など多角的な展開を行っており、公共・民間双方のインフラ需要に対応する体制を構築しています。

KPI

当連結会計年度における売上高は46,519百万円となり、前年同期比19.5%増と大幅な伸長を記録しました。営業利益は7,058百万円(同12.3%増)、経常利益は7,109百万円(同10.2%増)となっており、事業の拡大とともに収益性の向上も確認されています。

特にコンクリート事業では、耐震対応型ボックスカルバートなどの高付加価値製品の構成比率が高水準で推移したことが寄与しています。一方でパイル事業や斜面防災事業は、工事の進捗遅延や計画の変更により売上高が前年を下回るなど、案件の動向による変動が見られるものの、全体としては堅調な業績を維持しています。

成長ドライバー

中長期的な成長戦略「VERTEX Vision 2034」に基づき、コンクリート事業や斜面防災事業といったコア事業の再成長と、新規事業の育成に注力しています。具体的にはインフラメンテナンス、鉄道、油圧ホースメンテナンス、防衛といった分野を次なる成長の柱として位置づけています。

また、研究開発活動にも積極的に投資しており、コンクリート事業では下水道や大雨洪水対策製品の品質向上に加え、地中熱を利用した新システムの開発に取り組んでいます。さらに、DXの推進や人的資本の強化を通じて、労働力不足や施工効率化への要求といった業界課題に対応しつつ、企業価値の向上を目指しています。

リスク

事業の多くが公共工事に依存しているため、政府の予算配分や政策動向によって業績が影響を受けるリスクがあります。特にコンクリート、斜面防災、セグメントの各事業において、公共投資の規模や内容の変化は重要な変動要因となります。

また、原材料・エネルギー価格の高騰や物流コストの上昇といった構造的な課題に加え、工事の進捗遅延による売上計上の繰り越しなど、季節的な変動リスクも抱えています。さらに、大規模な自然災害による拠点の被災や、施工現場における重大事故の発生が事業継続に影響を及ぼす可能性についても、BCPの策定等を通じて対応を進めています。

競合

同社はコンクリート製品やパイル、防災製品といったインフラ基盤に関連する多岐にわたる製品群を展開しており、強固な技術力とノウハウを有しています。競争環境が厳しい状況下において、同社は価格競争に陥りやすい汎用品よりも、高付加価値製品の受注に注力することで優位性を確保しようとしています。

特にコンクリート事業やセグメント事業においては、高度な技術を要する製品の構成比率を高めることで収益性の維持・拡大を図る戦略をとっています。また、公共工事における国土強靭化や防災・減災への対応といった社会的なニーズの高まりを捉え、専門性の高いソリューションを提供することで競合に対する優位性を構築しています。

バリュエーション

2026年8月10日時点の株価は1,161円であり、同日の市場データに基づくPERは6.41倍となっています。PBRは1.46倍と算出されており、配当利回りは3.04%を記録しています。

これらの指標は、安定した事業基盤と公共インフラ需要の底堅さを背景とした評価を反映しているものと考えられます。投資判断にあたっては、同社が推進する「VERTEX Vision 2034」に基づく成長戦略や、高付加価値製品へのシフトによる収益性の改善動向を注視する必要があります。