事業モデル

同社はセラミックスの要素技術を核として、工業機材、セラミック・マテリアル、エンジニアリング、食器の4つの主要な事業を展開しています。各事業において、研削砥石や電子ペースト、焼成炉といった高度な技術を要する製品を提供しており、多岐にわたる産業分野へ展開しています。

特に近年は「選択と集中」を掲げ、環境・エレクトロニクス・ウェルビーイングの3分野を成長領域と定義し、資源の重点配分を行っています。2026年4月付で食器事業をセラミック・マテリアル事業へ編入するなど、組織体制の再編も進めています。

KPI

当連結会計年度の売上高は1,429億8百万円となり、前年比3.4%の増加を記録しました。営業利益は111億14百万円(同8.8%増)、経常利益は151億94百万円(同8.3%増)と、堅調な推移を見せています。

セグメント別では、セラミック・マテリアル事業が売上高500億35百万円、営業利益83億24百万円と大きく伸長しました。一方で、食器事業は原材料価格の高騰や先行投資の影響により、6億43百万円の営業損失を計上しています。

成長ドライバー

成長戦略として、エレクトロニクス分野におけるMLCC用材料の生産能力増強や、高度な技術を要する新製品の開発に注力しています。特にAIサーバー向けや自動車向けの電子部品需要の拡大を見据えた投資が加速しています。

また、外部連携を通じた共同開発も積極的に推進しており、パワー半導体用材料や銅ナノペーストなどの高付加価値商品の拡充を図っています。2027年度に向けた中期経営計画では、売上高1,575億円、営業利益135億円の目標を掲げ、成長基盤の確立を目指しています。

リスク

原材料や燃料の価格高騰が製造コストに与える影響は大きく、特に窯業関連の事業においてコスト転嫁が困難な場合の業績悪化リスクが存在します。また、為替の急激な変動は輸出入価格や円換算後の財務諸表に直接的な影響を及ubす可能性があります。

さらに、高度な技術革新が進むエレクトロニクス分野では、製品の陳腐化が速いため、開発スピードの遅れが競争力の低下に直結するリスクがあります。地政学的な緊張や海外情勢の変化による供給網の混乱も、グローバル展開を行う同社にとって重要な管理項目となっています。

競合

同社はセラミックスの高度な技術力を強みとしており、競合他社との激しい競争環境の中で新商品・新技術の開発を継続しています。特にエレクトロニクスやエネルギー分野では、技術革新のスピードが速く、独自の優位性を確保するための知財戦略が重要となります。

事業構造としては、特定の産業に依存しすぎない多角的なポートフォリオを持つことで、特定分野の需要変動による影響を緩和する体制を構築しています。しかしながら、各市場における競合他社との技術競争は常に存在しており、継続的な研究開発投資が不可欠な状況です。

バリュエーション

2026年8月10日時点の株価は3,860円であり、同日の時価総額は約1957.8億円となっています。この時点でのPERは13.99倍、PBRは1.17倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは3.37%となっており、安定した還元姿勢が見て取れます。これらの指標は、成長への投資と強固な収益基盤の構築を両立させる経営戦略の過程を反映しています。