事業モデル
同社は高度なセラミック技術を核として、「エンバイロメント」「デジタルソサエティ」「エネルギー&インダストリー」の3つの主要事業を展開しています。各事業では、自動車排ガス浄化用部品や半導体製造装置用製品、電力用がいしなど、多岐にわたる産業向け製品を提供しています。
特にエンバイロメント事業では、世界各地の拠点を活用したグローバルな供給体制を構築しており、デジタルソサエティ事業では、AI需要の拡大やデータセンター投資の増加を背景とした成長を見込んでいます。また、エネルギー&インダストリー事業においては、電力インフラに関連する製品を提供し、安定的な基盤を支えています。
KPI
同社は主要な経営指標として自己資本利益率(ROE)を採用しており、資本効率の向上を重視した経営を推進しています。中長期的な目標として、2030年度にROE12%の達成を目指し、成長領域であるデジタルソサエティ事業の収益拡大を通じて改善を図る方針です。
また、投下資本利益率(NGK版ROIC)を管理指標として採用しており、各事業部門が自ら目標管理を行える体制を整えています。さらに、環境負荷や人権尊重などの社会的責任を考慮した「NGK版付加価値」を導入し、持続的な企業価値の向上を目指しています。
成長ドライバー
成長の主要な原動力は、デジタル社会の進展に伴う半導体製造装置用製品やデータセンター向け機器の需要拡大にあります。特にAI向けの先端半導体プロセスにおけるセラミック製サポートウエハーなどの需要増加が、同事業の収益を牽引しています。
また、カーボンニュートラルへの動きを受け、エンバイロメント事業における次世代技術の研究開発にも注力しています。2030年に新事業化品売上高を1,000億円以上とする「New Value 1000」の目標に向け、研究開発とマーケティングへの投資を強化し、持続的な成長を目指す方針です。
リスク
地政学的緊張の高まりや経済安全保障の動向により、原材料・部品の調達から生産、物流に至るサプライチェーンの安定性が重要なリスク要因となっています。同社は拠点を分散させることで対応していますが、予期せぬ事象による影響を注視しています。
また、自動車分野では内燃機関車の減少や競合の台頭が懸念される一方、半導体分野では技術革新の速さや輸出規制の複雑化がリスクとして認識されています。これらの課題に対し、同社は新製品の開発や供給体制の最適化を通じて、競争力の維持と強靭な経営基盤の構築に取り組んでいます。
競合
エンバイロメント事業においては、自動車排ガス浄化用セラミックス製品において、競合他社の台頭や市場シェアの奪い合いが想定される環境にあります。これに対し、同社は技術力と安定した供給力を武器に競争力の強化を図っています。
デジタルソサエティ事業では、半導体・電子部品業界の急速な技術革新に対応するため、顧客ニーズに即したタイムリーな製品投入が求められています。また、産業機器分野においても、競合他社の動向を注視しながら、独自のセラミック技術による差別化と優位性の確保に努めています。
バリュエーション
2026年8月10日時点の市場データにおいて、同社の株価は5,690円となっており、PERは27.40倍、PBRは1.96倍を記録しています。この期間における配当利回りは1.88%と算出されています。
これらの数値は、同社が成長領域への投資を積極的に進める中で評価されている現状を反映しています。今後、デジタルソサエティ事業の収益拡大や資本効率の改善が進むことで、企業価値のさらなる向上が期待される構造となっています。
