事業モデル
同社は「住まい」と「暮らし」を軸とした事業を展開しており、衛生陶器や洗面機器などの製造・販売を行う「住まい事業」が基幹となっています。これに加え、太陽光発電や蓄電池システムの施工販売、不動産販売等を含む「暮らし事業」、およびM&Aや不動産賃貸を行う「投資事業」の3つのセグメントで構成されています。
特に近年は、単なる住宅設備メーカーから「住まいと暮らし」創造企業への転換を目指し、事業多様化戦略を推進しています。2024年10月からはリフォーム・リノベーション事業を開始しており、多角的なアプローチにより顧客への提供価値の拡大を図っています。
KPI
同社は経営指標として売上高経常利益率を重視し、事業運営を行っています。当連結会計年度において、住まい事業は2,670百万円、暮らし事業は1,660百万円の売上高を計上しました。
一方で、原材料価格の高騰や円安の影響によるコスト増が利益面に影響を与えています。しかし、暮らし事業では前年比で約11%の営業利益増加を見せており、新事業の立ち上がりが寄与しています。
成長ドライバー
成長の柱として、太陽光・蓄電池設備の催事営業を本格化しており、ホームセンター等での契約件数は順調に推移しています。また、リフォーム・リノベーション事業の開始や、新たに参入した希ガス事業による販路拡大も期待されています。
さらに、研究開発活動を通じてアジア向けオリジナル便器の開発や新グレードデザインの洗面化粧台の開発など、製品力の強化にも取り組んでいます。これらの施策により、既存の衛生陶器市場に依存しない収益構造への転換を目指しています。
リスク
原材料価格の高騰や円安によるコスト増に加え、海外調達における政治情勢や経営環境の変化が事業に影響を及ぼす可能性があります。また、製品の欠陥に伴う製造物責任や、サイバー攻撃等の情報セキュリティリスクへの対応も重要課題とされています。
さらに、当連結会計年度においても十分な収益力および財務体質の改善に至っていない状況があり、継続企業の前提に関する不確実性が指摘されています。これに対し、新株式の発行による資金調達や販売・生産拠点の集約といった体制のスリム化を進めることで、経営基盤の安定化を図っています。
競合
同社は衛生陶器および洗面機器の分野において、独自の強みを持つ製品展開を行っています。市場環境としては、新設住宅着工戸数やリフォーム工事件数の動向に大きく左右される構造となっており、競合他社との価格競争が激化するリスクも内包しています。
同社はこれらの競争環境に対し、事業の多角化とシナジーの創出によって対応を図っています。特に「暮らし」領域における太陽光や蓄電池といった付加価値の高い分野への進出により、競合他社との差別化を推進する方針です。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は176円となっており、時価総額は約13.4億円です。PBRは1.12倍と算出されています。
投資判断にあたっては、事業構造の転換期にある現状を考慮する必要があります。新事業への投資や体制のスリム化による収益改善の進捗が、今後の企業価値に影響を与えるものとみられます。