事業モデル
同社は「塗る・切る・磨く」の3つのコア技術を軸に、製品事業と受託事業の2つの柱を展開しています。製品事業では研磨フィルムや液体研磨剤、関連装置などの製造販売を行い、受託事業では受託塗布製造や研磨加工といった工程提供を行っています。
これらの事業は、ハイテク分野における精密な要求水準と、一般研磨分野における安定した需要の両面に対応する構造となっています。特に近年は、データセンター投資の拡大に伴う光ファイバー関連製品や、高度な技術を要する受託加工など、付加価値の高い領域への注力が特徴です。
KPI
当連結会計年度において、同社グループは売上高120億59百万円(前年同期比7.9%増)を計上しました。一方で、営業利益は5億79百万円(同38.5%減)、経常利益は6億13百万円(同28.2%減)と、事業環境の変化による影響が見られました。
セグメント別では、製品事業の売上高が113億39百万円(前年同期比13.9%増)と堅調に推移した一方、受託事業は材料費の高止まりや量産案件の減少により、売上高7億20百万円(同40.8%減)と苦戦する結果となりました。
成長ドライバー
成長の源泉は、次世代半導体分野における高度な技術課題への対応と、データネットワーク関連の需要取り込みにあります。特に生成AIやデータセンター投資を背景とした光ファイバー向け製品の開発や、SiC(炭化ケイ素)などの新材料に向けた研磨技術の提供が期待されています。
また、経営基盤の強化として、栃木県での拠点確保による生産体制の分散や、スマートファクトリー化に向けたDX推進にも取り組んでいます。これらの取り組みにより、受託事業からエンジニアリングサービスへの転換を図り、より高度な付加価値を提供することで安定的な成長を目指しています。
リスク
同社は、半導体市場の急激な需要変動や、地政学的緊張に伴うサプライチェーンの分断といった外部環境の変化にさらされるリスクを抱えています。特に先端半導体分野では、技術革新のスピードが速く、次世代技術への対応遅れが競争力の低下に直結する可能性があります。
また、原材料調達コストの上昇や為替レートの変動、さらに高度な技術を支える専門人材の確保・育成といった人的資源に関するリスクも重要な要素です。これらに対し、事業継続計画(BCP)の策定や、独自の研磨技術による高付加価値化で対応を図っています。
競合
同社は、ハイテク分野と一般研磨の両面において高い技術力を有するポジションを確立しています。特に高度な加工が求められる受託研磨ビジネスにおいては、品質の高さと安定した供給体制が競合に対する優位性の源泉となります。
市場構造としては、半導体やデータセンターといった成長分野における技術革新への対応力が重要視される環境にあります。同社は独自の研磨技術を「エンジニアリング」と組み合わせることで、単なる受託加工を超えたパートナーとしての価値提供を目指しています。
バリュエーション
2026年8月10日時点の市場データにおいて、同社の株価は897円となっています。この時の時価総額は約120.2億円であり、PERは23.81倍、PBRは1.34倍と算出されています。
また、同日のデータに基づく配当利回りは1.16%です。これらの指標は、同社が持つ技術的優位性と将来の成長期待を反映した評価となっています。
