事業モデル
同社は、特定業種に特化した業務知識と開発力を武器に、システムの企画から設計、構築、保守・運用までを一気通貫で提供するシステムインテグレーション(SI)事業を展開しています。特にエンドユーザーとの直接取引を重視しており、直近3カ年の売上高における比率は約9割に達しています。
この直接取引へのこだわりは、高度な技術力と顧客の課題解決力が求められる一方で、強固な信頼関係の構築を通じて中長期的な案件獲得や安定経営につながる戦略となっています。また、独自の開発標準体系「ExecTORA」を構築することで、品質保証とプロジェクト管理の徹底を図り、高品質なサービス提供を実現しています。
KPI
当連結会計年度において、売上高は12,411,359千円(前年同期比106.9%)と増収を達成しました。これに伴い、営業利益は803,558千円(同124.6%)、経常利益は805,554千円(同124.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は605,690千円(同125.5%)と、各利益項目において前年度を上回る成長を見せています。
また、受注実績においても不動産や製造、サービス業など主要な顧客層から高い伸びを示しており、特にサービス業その他では前年同期比151.8%の受注を獲得しています。これらの好調な推移は、同社が強みを持つ各領域での技術力と、最新のデジタル技術を活用したDX推進への対応力が評価された結果とみられます。
成長ドライバー
成長の源泉は、不動産、保険、製造といった特定業種における深いドメイン知識と、それらに特化した独自のソフトウェアパッケージ提供にあります。例えば、海外拠点の展開を支える生産管理システムや、少額短期保険向けのパッケージなど、特定のニーズに応える製品群が強みとなっています。
さらに、社内研究活動「EXE-Innovation」を通じて、IoT技術の検証や生成AIの活用といった先端技術の取り込みを進めています。また、ベトナム子会社との連携によるオフショア開発の推進により、人的リソースの確保と生産性の向上を図り、収益基盤の強化を継続的に図る体制を構築しています。
リスク
主要なリスクとして、特定顧客への依存が挙げられます。特に三井不動産8801グループからの売上は2026年3月期で約21%を占めており、同社動向による影響を受ける可能性があります。これに対し、複数業界の主要取引先を持つことでリスク分散を図る方針です。
また、高度な技術力を支える人材確保や、特定の仕入先からのクラウド・ソフトウェアライセンスへの依存も課題として認識されています。これらのリスクに対しては、若手から中途までの積極的な採用や、他社とのアライアンス拡大、オフショア拠点の活用強化といった多角的な対策を講じています。
競合
同社は独立系SIerとしての立ち位置を活かし、特定の製品に縛られない多様な技術の組み合わせによる「解決する力」を強みとしています。競合他社と比較しても、特定業種における深いノウハウと、上流工程から下流までを一貫して担う体制が差別化要因となっています。
特に不動産や保険といった専門性の高い分野では、単なるシステム構築に留まらないコンサルティング要素を含む提案を行っています。また、独自の品質管理体系を導入することで、大規模プロジェクトにおける信頼性を確保し、競合に対する優位性を維持する戦略をとっています。
バリュエーション
2024年3月時点の市場データに基づくと、同社の株価は1,568円(2024年3月29日)となっており、時価総額は171億円です。この時点でのPERは34.1倍、PBRは4.4倍と算出されています。
また、配当利回りは0.0%となっており、現在の株価水準における投資判断の材料となります。これらの数値は提供された市場データに基づくものであり、同社の成長期待や事業基盤の強固さが反映されたものと考えられます。
