事業モデル

同社は、半導体およびFPD製造装置向けに低熱膨張合金鋳物や精密加工品を提供し、鉄鋼向けの高温高強度合金も展開しています。独自のブランド材を含む素形材を自社工場や外注ネットワークで加工・処理することで、付加価値の高い製品群を構築しています。

事業は「特殊合金事業」と「不動産賃貸事業」の2つで構成されています。特に特殊合金事業では、鋳造、機械加工、熱処理、鍛造、圧延といった高度な工程を経て、先端技術の基盤となる金属材料を提供しています。

KPI

当事業年度の売上高は5,540百万円となり、前年同期と比較して670百万円の減収となりました。この要因として、シリコンウエハ関連の減少や、FPD製造装置向けの投資回復の遅れが挙げられています。

営業利益は466百万円(前期比27.7%減)、経常利益は540百万円(前期比17.7%減)となりました。当期純利益は401百万円となっており、前年度に計上した投資有価証券売却益の反動による影響を受けています。

成長ドライバー

同社は「売上100億円企業への成長」を掲げ、インバー合金のグローバルニッチトップを目指す方針です。特にAI向け半導体製造装置関連や、水素・宇宙・航空といった新領域への参入を強化しています。

技術革新の柱として、金属3D積層造形への大型投資や、AIを活用した鋳語工程の省力化・自動化に取り組んでいます。また、非磁性インバー合金や極低温用インバー合金など、多様なニーズに応える研究開発を推進しています。

リスク

経営上の大きなリスクとして、半導体およびFPD業界への高い依存度が挙げられています。これら2つの主要市場への売上高は全売上高の約7割を占めており、受注量の急激な減少が業績に直結する構造です。

また、製品に使用されるニッケルなどの希少原材料については、市況による仕入価格の高騰が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。地政学的リスクや関税政策の動向も、半導体設備投資の慎重姿勢を招く要因として認識されています。

競合

同社は低熱膨張合金およびシームレスパイプ製造用工具のトップメーカーとしての地位を確立しています。高度な鋳造・鍛造技術と独自の加工技術を組み合わせることで、競合に対する優位性を構築しています。

特に先端半導体分野においては、高い信頼性が求められるため、同社が提供する付加価値の高い製品群は重要な役割を担っています。今後も研究開発を通じて、より特殊な環境に対応する合金の開発により競争力を維持する方針です。

バリュエーション

2026年8月10日時点の株価は873円となっており、同日の時価総額は約56.2億円です。この時点でのPERは14.02倍、PBRは2.07倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは3.55%となっています。これらの指標は、同社の事業基盤と将来の成長期待を反映する要素となります。