事業モデル
同社はM&Aプラットフォーム「BATONZ」の運営を主軸とするM&Aテクノロジー事業を展開しています。売り手、買い手、およびM&A支援機関の三者が利用する場を提供し、インターネットを活用したマッチングの可視化と効率的なダイレクトマッチングの仕組みを構築しています。
収益構造は、プラットフォームでの成約時に発生するシステム利用料と、M&A支援機関向けに提供するSaaSによる収益で構成されます。特にM&A支援機関向けのSaaSでは、近年のアップデートにより機能拡充が進んでおり、DX化を通じた業務効率化を推進しています。
KPI
プラットフォームの規模を示す指標として、2026年3月末時点で交渉可能な譲渡希望案件数は10,756件に達しています。また、買い手ユーザーの累計登録数は305,957人に上り、月間アクティブユーザー数(MAU)は20,750人を記録しています。
成約実績についても、過去の成約価額で最大33億円までの案件が含まれ、累計成約実績組数は3,421組に達しています。これらの数値は、同社が提供するプラットフォームが広範な規模と多様なユーザー層を獲得していることを示唆しています。
成長ドライバー
成長の背景には、経営者の高齢化に伴う事業承継問題という深刻な社会課題があり、国策によるM&A推進や支援制度の整備が追い風となっています。特に「中小M&A市場」は、構造的な課題を解決するビジネスモデルの登場により、今後も継続的な成長が見込まれる環境にあります。
また、同社は成約単価の上昇やSaaS提供社数の増加といった質の高い成長を実現しています。2026年3月期において、M&Aプラットフォームによる売上高が前年比51.9%増、M&A SaaSが21.0%増と、両事業ともに堅調な伸びを記録しています。
リスク
参入障壁が低い業界特性から、競合他社や大手資本による新規参入に伴う競争激化のリスクが存在します。また、将来的な政府の政策変更や法規制の強化により、事業展開に制約が生じる可能性も考慮する必要があります。
技術面では、生成AI等の先端技術の活用において対応が遅れた場合、競合他社に対して優位性が低下するリスクがあります。さらに、M&A支援機関との連携が重要であるため、提携先の動向や信頼性の確保も事業継続における重要な要素となります。
競合
同業他社が存在する中で、同社は独自のノウハウを組み込んだプロダクト開発と成約支援の提供により、一定の優位性を確保していると認識しています。先行事業者としてのメリットを享受しつつ、プラットフォーム運営を通じて差別化を図っています。
競合との差異化要因として、単なるマッチングの場を提供するだけでなく、M&A支援機関向けのSaaSや付加価値の高いオプションサービスを提供している点が挙げられます。これらの取り組みにより、他社への流出を防ぎ、成約に向けた強固な基盤を構築しています。
バリュエーション
2026年3月期の経営成績において、売上高は前年同期比で45.3%増の2,004,484千円となりました。このうちM&Aプラットフォームが1,503,971千円、M&A SaaSが438,987千円を占めています。
同期間の営業利益は前年同期比で600.3%増の363,601千円となり、当期純利益も539.0%増の262,328千円と大幅な増益を達成しています。これらの業績推移は、効率的なマッチング構造とSaaSによる収益基盤の強化が寄与しているものと考えられます。
