事業モデル
同社は、社会インフラのオペレーションに関わる制約を変数として取り込み、AI技術を用いて短時間で最適な計画を提供する「計画最適化事業」を展開しています。高度な専門知識を要する複雑な業務をシミュレータ上で再現し、アルゴリズムによってKPIの最大化を実現する仕組みです。
ビジネスモデルの特徴は、コンサルティングからシステム実装、さらには運用・サポートまでを一貫して手掛ける点にあります。このアプローチにより顧客生涯価値(CLTV)の最大化を図りつつ、安定的な収益基盤を構築しています。
KPI
同社は、AIエンジンおよびシステム開発をフロー型売上、運用・サポートをストック型売上と定義して管理しています。2025年6月期におけるストック型売上比率は24.7%に達し、前年度から0.5ポイント上昇しました。
また、取引先数は43社(前年同期比26.5%増)へと拡大しており、顧客平均売上も向上しています。特にAI開発、システム開発、運用・サポートの3区分における顧客平均売上は、前年同期比10.3%増の54.9百万円を記録しました。
成長ドライバー
成長の主要な原動力は、電力・エネルギー分野における需要拡大と、同分野での高いシェアにあります。2025年6月期において、電力・エネルギー分野の売上高は1,202百万円に達し、全体の約6割を占める規模へと成長しました。
さらに、物流・サプライチェーンや都市交通といった他分野でも、自動化・デジタル化への需要が高まっており、同社が提供する「属人性を排除した最適解の導出」は、労働人口減少に直面する社会インフラ分野において強力な解決策として期待されています。
リスク
事業環境の変化に伴うリスクとして、AI技術の急速な進化への対応や、競合他社の参入による競争激化が挙げられます。これに対し同社は、専門家との連携や先行した実績の積み上げを通じて優位性の確保を図っています。
また、プロジェクトごとに収支管理を行っているものの、見積もり時の想定と異なる事象が発生した場合に工数が増加し、収益を圧迫するリスクも認識しています。特に新規領域の開拓においては、開発期間の延長や進捗の遅れが売上およびストック型売上の伸びに影響を与える可能性があるため、標準化やモジュール化による対策を進めています。
競合
同社の強みは、社会インフラ分野に特化した高度な専門知識と、それを数理最適化やAI技術と融合させる独自のノウハウにあります。特に電力・物流といった複雑な制約条件を伴う領域において、実務に耐えうる時間で最適解を導き出す技術は高い参入障壁となっています。
競合他社の存在は認識しているものの、同社は既に複数の大手企業へのシステム提供と運用サポートの開始を通じて、市場内での地位を確立しつつあります。今後も先行的な取り組みを通じて、独自の優位性を維持しながら競争環境に対応する方針です。
バリュエーション
2026年8月10日時点の株価は1,967円であり、同日の時価総額は約94.4億円となっています。この時点でのPERは23.26倍、PBRは2.27倍と算出されています。
投資判断に際しては、これらの指標に加え、AI技術の進化に対する適応力や、ストック型売上の比率向上による収益の安定性を評価することが重要です。
