事業モデル
同社は、自律移動ロボット(ドローンやAGV)を遠隔制御し統合管理するソフトウェアプラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」を基軸としたソリューションを提供しています。このシステムはセンサモジュールとソフトウェアで構成され、機器の動かすこと、情報の集めること、運行管理を行うことを一気通貫で実現します。
提供するサービスは点検、ポート、教育、ネクストの4つの領域に分類されます。特にインフラ老朽化に伴う需要が高まる「点検ソリューション」を主要事業とし、ドローンやAGVを用いた自動巡回点検などを提供しています。また、防災・監視向けの「ポートソリューション」も成長の柱として位置づけています。
KPI
当事業年度における売上高は1,051,466千円となり、前年同期比で14.0%の減少となりました。点検ソリューションの売上は576,522千円と堅調に推移したものの、個別対応による供給体制の制約から売上の積み上がりが限定的な状況にあります。
一方で、教育ソリューションについては提供内容の見直しにより収益性が改善傾向にあり、売上高は203,067千円となりました。ポートソリューションの売上は252,143千円であり、現在は当面の収益拡大よりも運用安定性や自動化の高度化を優先するフェーズにあります。
成長ドライバー
成長の源泉は、インフラ老朽化という社会課題に対するドローン活用による点検・監視の効率化と安全化です。特に下水道や電力などの公共インフラ分野において、人手不足や危険作業の代替ニーズが追い風となっています。
今後の戦略として、個別案件への対応を前提とした「フルカスタム型」から、標準化・パッケージ化されたソリューションへの移行を進めています。これにより、ストック型収益モデルへの転換を図ることで、より安定した成長基盤の構築を目指す方針です。
リスク
事業面では、ドローンやロボットを用いた技術革新のスピードが極めて速く、開発遅延や競合優位性の低下がリスク要因となります。また、特定のハードウェア(ELIOS等)への依存があるものの、他機種への切り替えは可能とされています。
財務面では、先行投資に伴う継続的な赤字計上や、営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが課題として挙げられています。さらに、ドローンに関する重大事故による社会的信用の失墜や、航空法・電波法などの関連法令の改廃にも注意を要する状況にあります。
競合
同社は、単なる機体の提供にとどまらず、BEPという独自のソフトウェアプラットフォームを通じて「動かす」「集める」「管理する」を一元的に提供する立ち位置をとっています。これにより、ハードウェアに依存しない柔軟なソリューション構築を強みとしています。
市場環境としては、ドローン点検分野の潜在市場は2028年度までに2,088億円に達すると推計されており、成長機会は大きいと見込まれています。競合に対しては、標準化・パッケージ化を進めることで、人手依存の供給体制から脱却し、再現性の高い成長モデルを構築することで優位性を確保する方針です。
バリュエーション
2026年8月10日時点の株価は1,279円となっており、同日の時価総額は約51.6億円です。この時点でのPBRは36.85倍と算出されています。
投資判断にあたっては、将来的な収益構造の転換(ストック型への移行)が評価の焦点となります。現在の赤字計上は先行投資によるものとされており、事業の成長フェーズにおける位置付けを考慮する必要があります。
