事業モデル
同社は、勤怠管理・人事給与を中心としたクラウドサービス「KING OF TIME」を提供しています。高度なセキュリティ要件への対応や多様な勤務形態への対応により、中小・中堅企業から大手企業まで幅広い顧客層を獲得しています。
独自の強みとして、販売パートナーとの強力な連携による効率的な顧客獲得体制を構築しています。2026年3月末時点の課金ID数において、約64%が販売パートナー経由の間接販売であり、安定した顧客基盤を確保しています。
KPI
当連結会計年度において、売上高は7,496,323千円となり、前年比で23.8%の成長を記録しました。これに伴い、営業利益は1,370,570千円(同47.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,016,322千円(同55.1%増)と大幅な伸長を見せています。
この成長の背景には、2025年4月に完了した「登録人数課金」への移行があると考えられます。この新体系により、利用実態に合わせた収益基盤の強化と売上水準の底上げが実現しています。
成長ドライバー
成長戦略として、給与計算や採用支援など他領域との連携を強化するマルチプロダクト戦略を展開しています。具体的には、弥生やミイダスといった有力企業へのOEM提供を通じて、より広範な顧客層へのアプローチを推進しています。
また、AIの積極的な活用により、サポート業務などの定型業務の効率化を図りつつ、高度なコンサルティング等の付加価値の高い領域へリソースをシフトさせています。これにより、人員増加を抑制しながら高い収益性を実現する体制を構築しています。
リスク
クラウドサービスを基盤とするため、システムトラブルやサイバー攻撃による情報漏洩は事業継続における重大なリスクとなります。特に膨大な個人情報を扱う特性上、セキュリティ基盤の強化と高度化する脅威への対応が不可欠です。
また、生成AIの進化は競合参入や代替手法の出現といった脅威をもたらす一方、同社が持つ豊富なデータや法改正への対応ノウハウとの相乗効果も期待されます。さらに、労働力人口の減少や働き方の変化による勤怠管理ニーズの変化にも注視が必要です。
競合
勤怠管理市場は参入障壁が比較的低い一方で、日本の複雑な労働法制への正確かつ迅速な対応には高度なノウハウと蓄積された信頼が必要となります。同社はこの領域で長年の実績を積み上げ、高い評価を獲得しています。
今後、資本力やマーケティング力を有する大手企業の参入や、AIネイティブな新興競合の台頭が懸念される環境にあります。しかし、強固なパートナーエコシステムと多機能な製品群により、独自の優位性を維持する構えです。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は1,525円(2026年3月19日時点)となっています。成長性と収益性の両立に向けた投資を継続しており、営業利益率30%程度の達成時期を2030年3月期と見通しています。
同社は「KING OF TIME」の価値向上やSMP構想の推進を通じて、顧客あたりの売上高(ARPU)の向上を目指しています。これらの戦略的投資により、中長期的な収益性の改善を図る方針です。