事業モデル
主力製品である「KING OF TIME」は、高度な法規制対応や多様な打刻方法、給与計算システムとの連携機能を備えた勤怠管理SaaSです。中小・中堅企業から大手企業まで幅広い層を顧客としており、多機能なプラットフォームとしての地位を確立しています。
販売戦略においては、独自の強みである強力なパートナーネットワークを活用した間接販売が重要な役割を担っています。2026年3月末時点の課金ID数において、販売パートナー経由の間接販売は約64%を占めており、効率的な顧客獲得を実現しています。
KPI
当連結会計年度において、売上高は前年比23.8%増の7,496,323千円に達し、成長性の高さを示しました。これに対し、営業利益は同47.2%増の1,370,570千円と大幅な伸びを記録しています。
この好調な推移の背景には、2025年4月に完了した「登録人数課金」への移行による売上水準の底上げがあります。また、AI活用によるオペレーション効率化により、販管費の増加を抑制しつつ高い利益率を実現する構造へと転換しています。
成長ドライバー
成長戦略の柱の一つは、既存の勤怠管理から給与計算や採用支援までを一気通貫で提供するマルチプロダクト戦略です。他社とのOEM提携を通じて、より広範な顧客層へのアプローチを加速させています。
また、SMP(サブスクリプションマネジメントプラットフォーム)の推進やASEAN向け給与サービスの拡充など、ARPU向上に向けた投資も継続しています。これらの施策により、既存事業の安定的な成長と新規領域での収益拡大の両立を図る方針です。
リスク
クラウド型サービスであるため、システムトラブルやサイバー攻撃によるデータ漏洩は、信頼失墜や損害賠償を含む重大な経営リスクとなります。特に膨大な個人情報を扱う特性上、セキュリティ基盤の強化と高度化する脅威への対応が不可欠です。
また、生成AIの急速な進化は競合参入を促す脅威となる一方で、社内業務の効率化やデータ分析の高度化といった機会も提供します。さらに、労働法制の変化や将来的な勤怠管理ニーズの変容など、外部環境の変化にも柔軟に対応する体制構築が求められています。
競合
勤怠管理市場は参入障壁が比較的低い一方で、日本の複雑な労働法制への正確かつ迅速な対応には高度なノウハウと蓄積された知見が必要です。このため、短期間で同等の信頼を獲得することは困難であり、独自の強みとなっています。
今後は、資本力やマーケティング力を有する大手企業の参入や、AIネイティブな新興競合の台頭が懸念される環境にあります。これに対し、同社は長年蓄積した顧客データと法対応の正確性を武器に、独自の優位性を維持する戦略をとっています。
バリュエーション
2026年8月10日時点の株価は1,657円であり、時価総額は約159.2億円となっています。同日の市場データに基づくPERは15.65倍、PBRは3.02倍と算出されています。
また、同日時点での配当利回りは2.11%となっており、安定した事業基盤を背景とした評価を得ています。これらの指標は、成長性と収益性の両立を目指す同社の戦略的な位置付けを反映しています。
