事業モデル
同社は機能材料、金属、自動車部品、その他の事業の4つの主要セグメントを展開しています。機能材料部門では、半導体や通信インフラ向けの高付加価値な銅箔やレアマテリアルを製造・販売しており、高度な技術力を背景に強固な基盤を有しています。
金属部門においては、亜鉛、鉛、銅などの非鉄金属の製錬および資源リサイクル事業を展開しています。循環型社会への移行に伴うリサイクルニーズの高まりを受け、独自の製錬ネットワークを活用した有価金属の回収や処理能力の強化に注力する体制を構築しています。
KPI
当連結会計年度において、売上高は前連結会計年度比で461億円(6.5%)増加し、7,585億円を記録しました。営業利益は銅箔の販売量増加や非鉄金属相場の上昇、在庫要因の好転等により、前年同期比で561億円(75.1%)増の1,309億円となりました。
経常利益についても、営業利益の増加に加え持分法による投資利益の増加などにより、前連結会計年度比で603億円(78.9%)増の1,367億円に達しました。親会社株主に帰属する当利潤は、266億円(41.1%)増の912億円となり、売上高、営業利益、経常利益、純利益のすべてにおいて過去最高を更新しています。
成長ドライバー
機能材料部門では、AIインフラや先端半導体関連分野への投資を強化しており、特に高周波基板用電解銅箔などの生産体制を拡充しています。また、2026年4月には九州に「九州先端材料開発センター」を設立し、次世代の競争力につながる新材料の創出に向けた研究開発体制を整備しています。
事業創造部門では、全固体電池向け固体電解質や機能性多孔体など、将来の柱となる新規事業へのリソース配分を強化しています。さらに、循環型社会への対応として、製錬ネットワークを活用した有価品質の回収技術や低炭素エネルギーを用いた金属素材提供などの取り組みを推進し、持続的な成長を目指しています。
リスク
原材料価格および為替相場の変動が経営成績に与える影響が重要なリスク要因として特定されています。特に非鉄金属の価格は国際市場で決定されるため、長期的な下落や円高への振れに対しては、商品先渡取引や為替予約などのヘッジ手段を用いて影響の低減を図っています。
また、サイバー攻撃による情報漏洩や、大規模な自然災害・感染症の拡大によるサプライチェーンの寸断もリスクとして認識されています。これらに対し、同社はBCP(事業継続計画)の策定やSOC、CSIRTといった専門組織の強化を通じて、強靭な経営基盤の構築とリスク低状に取り組んでいます。
競合
同社は非鉄金属分野において、高度な製錬・加工技術を武器に独自のポジションを確立しています。特に機能材料分野では、半導体や通信インフラといった成長分野に向けた高付加価値製品を提供しており、高い技術的参入障壁を構築しているとみられます。
また、資源リサイクル事業においては、多様なプロセスを活かした高度な製錬ネットワークを保有しています。循環型社会への移行に伴う環境規制や需要の変化に対し、独自の技術力で対応する体制を整えており、持続可能な素材供給の場において強固な立ち位置を確保しています。
バリュエーション
2026年8月10日時点の市場データに基づくと、同社の株価は27,855円となっています。この時の時価総額は約18433.8億円であり、PER(株価収益率)は20.20倍と算出されています。
また、同日のデータにおけるPBR(株価純資産倍率)は4.47倍となっており、配当利回りは0.09%を記録しています。これらの指標は、同社が保有する高度な技術力や将来の成長に向けた投資姿勢を反映した水準となっています。
