事業モデル
同社は非鉄金属製品の製造販売、環境・リサイクル事業、電子部材・機能材料の3つの主要な柱で構成される事業を展開しています。製錬事業では鉛や銀などの製品を取り扱い、環境・リサイクル事業では電炉ダストからの酸化亜鉛の再資源化などを行っています。
また、ノイズフィルターを中心とした電子部品や、当社の強みである金属リサイクル技術を活かした高度な製造プロセスを構築しています。これらの活動は、社名変更を見据えた「ミッション・ビジョン・バリュー」の再定義とともに、循環型社会への貢献を目指す姿勢へと統合されています。
KPI
当連結会計年度において、売上高は1,255億50百万円を記録し、前年比でわずかな減収となりました。一方で、営業利益は67億22百万円、経常利益は56億78百万円と、いずれも前期と比較して大幅な増益を達成しています。
特に製錬事業においては、金や銀といった希少金属の相場高騰が寄与し、売上高が前年同期比で40%増加しました。また、不採算事業の撤退に伴う特別損失の計上がなくなったことも、当期純利益を大きく押し上げる要因となりました。
成長ドライバー
今後の成長に向けた主要な柱として、製錬事業を中心とした工場DXへの投資や、回収元素のバリエーション拡大、高純度化に向けた技術開発が挙げられます。特にリチウムイオン電池(LiB)のリサイクルに関する基礎研究や中規模試験を進めており、次世代の資源循環への対応を強化しています。
さらに、廃バッテリーや巣鉛の増産処理に伴う工程整備など、外部環境に左右されにくい自律的な収益基盤の構築を目指しています。これらの投資は、2026年3月に公表された組織改正と連動し、企業価値の向上に向けた競争力強化の一環として推進されます。
リスク
事業運営における主要なリスクとして、金属価格や為替相場の変動が挙げられます。特に製錬事業は国際市場の価格を基準とするため、円安は追い風となりますが、急激な変動は経営成績に影響を与える可能性があります。
また、原材料となる鉱石の確保やエネルギー資源(電力、コークス等)の高騰も重要な課題です。これらに対し、同社は長期買鉱契約による安定調達や、リサイクル原料の活用拡大、為替予約などのヘッジ手段を用いてリスクへの対応を図っています。
競合
同社は非鉄金属分野において、製錬からリサイクルまでを網羅する幅広い技術基盤を有しています。特に環境・リサイクル事業においては、長年培った製錬技術を応用し、廃棄物の資源有効活用を行う独自の立ち位置を確立しています。
競合環境に対しては、単なる製品販売だけでなく、循環型社会の実現に向けた高度な技術開発やプロセス改善を通じて差別化を図っています。特にリチウムイオン電池のリサイクルなど、次世代の需要を見据えた領域での技術的優位性の確保に注力しています。
バリュエーション
2026年8月10日時点の市場データにおいて、同社の株価は1,005円となっています。この時の時価総額は約362.9億円であり、PERは6.83倍、PBRは0.96倍と算出されています。
これらの指標は、事業再生計画の進捗や収益基盤の強化に向けた投資フェーズにある現状を反映しています。投資家に対しては、構造改革による企業価値向上への期待が評価のポイントとなります。
